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ブランシェを目指して

 シオンとシロンは、ブランシェの街を目指して森の中を進んでいた。木々が生い茂るその道は静かで、鳥のさえずりや木の葉が風に揺れる音だけが響いていた。薄暗い木陰が広がる道のりだが、特に危険な兆候は見えなかった。しかし、シロンが突然耳を立て、鼻をひくつかせると、すぐに警戒したように低く唸り始めた。


「シロン、何か感じたか?」


 シオンは周囲を見回しながら、シロンに問いかけた。シロンは返事をするように唸り声を続け、その鋭い目で森の奥を見据えている。その瞬間、木々の間から黒い影が次々と現れた。顔を覆い、武器を手にした盗賊たちがシオンたちを取り囲んだ。


「おい、坊主。ここを通るなら、通行料を払ってもらうぞ。さもなくば……」


 リーダー格の男が冷たく笑いながら、シオンに向けて剣を抜いた。盗賊たちは全員、シオンとシロンを囲むように位置を取り、武器を構えている。彼らの目には明らかに、シオンの所持品や金を奪うつもりが見え隠れしていた。


「通行料?そんなもの払うつもりはない」


 シオンは冷静に答え、ゆっくりと自分の鉄剣を抜いた。シロンも同時に低い唸り声を上げ、鋭い牙を見せながら敵を睨みつける。彼らの動きに緊張感が走る。


「おい、こいつなかなか度胸があるみたいだな。さっさとそのガキを片付けろ」


 リーダーがそう命じると、盗賊たちは一斉にシオンに向かって襲いかかってきた。シオンはすぐさまシロンに指示を出し、戦闘態勢に入った。


「シロン、行け!」


 シロンは鋭い動きで盗賊の一人に飛びかかり、強力な前足で相手を倒す。その動きはまるで風のように素早く、盗賊たちは驚きの声を上げた。


「な、なんだこの狼は!ただの狼じゃないぞ!」


 盗賊の一人が声を上げるが、すでにシロンは次の敵に狙いを定めていた。シオンはその間、魔物探知スキルで周囲の敵の位置を正確に把握し、冷静に行動を続けていた。


「シロン、後ろだ!」


 シロンはすぐに後ろにいた盗賊を感知し、素早く反転して爪を振り下ろす。盗賊は瞬時に倒れ込み、動けなくなった。シオンもまた、鉄剣で前に立ちはだかる敵を切り払い、確実に仕留めていく。


「こいつ、やるじゃねえか……!」


 リーダーは焦りを隠し切れず、剣を構え直した。残る盗賊は数人だが、彼らの顔には明らかな動揺が走っていた。シオンは一歩も引かず、シロンも冷静に周囲を警戒している。


「これで終わりだ。次はお前だぞ」


 シオンがそう告げると、リーダーは一瞬ひるんだ。しかし、プライドを捨てきれないのか、無謀にもシオンに向かって突進してきた。


「ふん、無駄だ」


 シオンは一瞬でその動きを見極め、素早く反撃を繰り出した。剣がリーダーの武器を弾き飛ばし、そのままリーダーは地面に倒れ込む。


「す、すまない!勘弁してくれ……」


 リーダーは倒れたまま、命乞いを始めた。シオンは無表情のまま、その男を見下ろした。


「さっさと消えろ。二度とこんなことをするな」


 シオンの冷たい言葉に、リーダーは震えながら仲間たちを引き連れ、森の中へと逃げ去っていった。シロンは盗賊たちが去るのを見届け、シオンのそばに戻ってきた。


「ふぅ、危なかったな」


 シオンは軽く息をつき、シロンの頭を優しく撫でた。シロンは満足そうに尻尾を振り、シオンに寄り添う。


「でも、何とか無事に切り抜けた。ありがとう、シロン」


 彼らは再びブランシェの街を目指し、道を進み始めた。盗賊の襲撃は予想外だったが、シオンとシロンの連携は確かなものになってきている。これから挑むDランクダンジョン「霧の洞窟」に向けて、シオンはさらに自信を深めていた。


「さて、ブランシェまであと少しだ。霧の洞窟では、もっと手強い敵が待ってるだろう」


 シオンはシロンと共に、さらに力を合わせ、次の挑戦に向けて準備を整えていく。

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