Dランク昇格試験
ギルド内は相変わらず賑わっていた。シオンはギルド受付嬢のアンナの前に立ち、Dランク昇格試験について尋ねた。Eランクダンジョンの周回を続け、シロンとの連携も強まり、今では護衛や討伐の依頼もこなせる自信があった。
「シオン君、ついにDランク昇格試験を受けるのね」
アンナはにっこり微笑みながら、シオンに用意された試験の内容を伝えた。
「昇格試験は、護衛依頼を受けてもらうわ。貴族の商隊を護衛して、近隣の街まで安全に送り届けるのが今回の仕事よ」
シオンは頷き、詳細な依頼内容を受け取る。商会の商隊ということもあり、道中は盗賊やモンスターの襲撃が予想される。難易度は高いが、これを乗り越えればDランク昇格は目前だ。
「わかった。商隊の護衛依頼を引き受けるよ」
「気をつけてね。護衛依頼は、判断力や危機対応能力が試されることが多いわ」
シオンはしっかりと返事をし、シロンの頭を軽く撫でる。
「シロン、今回は護衛任務だ。盗賊やモンスターから商隊を守るぞ」
シロンは低く唸り、シオンの言葉に応えるように鋭い眼光を光らせた。
翌日、シオンとシロンは依頼主の商隊と合流した。依頼主はエルバードから隣街へと向かう貴族の一行で、いくつかの高価な品物を運んでいるらしい。商隊のリーダーは、シオンがまだ10歳であることに驚いたが、シロンの存在とテイマーとしての実力を信じることにした。
「この少年が本当に護衛を務めるのか?」
商隊のリーダーが怪訝そうにシオンを見下ろすが、彼の背後に佇むシロンの迫力に気圧されたのか、すぐに表情を変えた。
「シロンと俺がいれば、問題ないよ」
シオンは自信を持ってそう答えた。
「わかった。頼りにしている。何かあればすぐに知らせてくれ」
商隊が出発する準備が整い、シオンは商隊の先頭に立ち、周囲を警戒しながら進んでいく。シロンはその隣を走り、敏感な嗅覚と感知スキルを使って、遠くの危険を察知しようと集中している。
道中、静けさが続く。だが、シオンは油断しなかった。護衛依頼では、不測の事態が必ず訪れるものだと心得ていた。
しばらくして、シロンが耳を立て、低い唸り声をあげた。
「来るな……敵か」
シロンの感知スキルで、近くに潜む盗賊たちの存在をシオンは瞬時に察知した。すぐに商隊を止め、周囲の警戒を強める。
「盗賊だ!全員気をつけろ!」
シオンの指示が飛び交う中、数人の盗賊が茂みから現れた。武装した彼らは商隊の荷物を狙っていたが、シオンとシロンの姿に怯んだ様子も見せる。
「シロン、いくぞ!」
シオンの号令と共に、シロンは素早く盗賊たちに突進した。その圧倒的な速度と力で、盗賊の一人が倒され、残りの者たちは恐れをなして逃げ出した。
「大丈夫か?」
シオンは商隊のリーダーに声をかけ、状況が落ち着いたことを確認する。
「君たち、すごいな……本当に助かった」
商隊は感謝の言葉を口にしながら、再び旅を再開した。
護衛依頼を無事に完了し、シオンとシロンはエルバードのギルドに帰還した。
「おかえり、シオン君。無事に依頼を達成したみたいね」
アンナが微笑みながら、護衛依頼の成功を報告するシオンに労いの言葉をかけた。
「盗賊が出たけど、何とか無事に護衛できたよ。シロンが頑張ってくれたおかげだ」
シオンはシロンを撫でながら、満足げに語った。
「それは素晴らしいわね。これでDランク昇格試験は合格よ。正式にDランク冒険者として認められるわ」
シオンはついにDランク昇格を果たした。これまでの努力が実を結び、次なる目標へと一歩踏み出すことができた瞬間だった。
「やったな、シロン。次はもっと大きな挑戦が待ってるぞ」
シロンも誇らしげにシオンを見上げ、共に新たな冒険へと進む決意を固めた。
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