マッドボア
シオンとシロンは黒石の迷宮5階層の最奥へと足を踏み入れた。目の前には、この迷宮の主たる存在、マッドボアが現れる。巨大なイノシシ型の魔物は赤い目をギラつかせ、鋭い牙をむき出しにしている。地面を強く踏み鳴らすたびに、その足元からは小さな震動が走る。
「でかい……!」
シオンはマッドボアの圧倒的な存在感に一瞬たじろぐが、すぐに気を取り直す。手に握る鉄剣をさらに強く握りしめ、冷静に状況を見極める。シロンもいつものように感知スキルを使い、マッドボアの隙を探っていた。
「シロン、行くぞ!」
シロンは低くうなり、即座にマッドボアに向かって駆け出した。シオンもその動きに合わせ、横から奇襲を仕掛ける形で接近する。
「突っ込むのは危険だが、少しでも削らなきゃ!」
シオンは鉄剣でマッドボアの足元を狙い、斬りつける。だが、鋼のような硬さを持つ皮膚は浅い傷しか負わせられない。
「くそ、硬い……!」
その瞬間、マッドボアが巨大な牙を振り下ろしてきた。シオンはすぐに回避するが、牙の衝撃で地面が裂け、大きな穴が空いた。
「力が半端じゃない……!」
だが、ここで怯んでいては勝てない。シロンが飛びかかり、マッドボアの横腹を引っ掻く。シロンの爪はシオンの剣よりも深く傷をつけることができ、マッドボアが苦しそうにうなった。
「ナイスだ、シロン! 今だ、追撃!」
シオンは再び接近し、今度はマッドボアの腹部を狙って剣を突き立てた。マッドボアは痛みによって暴れ出し、激しく地面を踏み鳴らす。だが、シオンとシロンは息を合わせ、素早く離脱する。
「まだだ、ここからが本番だ!」
シロンも強化されたステータスを活かし、再び攻撃態勢に入った。
「シロン、次は一気に仕掛けるぞ!」
シオンはシロンに指示を出し、今度は攻撃を集中させることに決めた。シロンが再び前に出てマッドボアを引きつけ、その隙にシオンが後方から剣を振りかざす。
「これで決める!」
シオンの鉄剣が再びマッドボアの腹部に突き刺さり、今度は深い一撃となった。マッドボアが絶叫し、その巨大な体が一瞬よろける。
「今だ、シロン!」
シロンが力強い一撃でマッドボアの首元に飛びかかり、その牙で致命傷を与えた。マッドボアはしばらくその場で揺れていたが、やがてその巨体が地面に倒れ込んだ。
「……やったか……?」
シオンは息を整えながら、慎重にマッドボアの動きを見守る。だが、完全に動きを止めたのを確認すると、シロンとともに勝利を確信した。
「やった……ついに倒したぞ!」
シオンはシロンの頭を撫でながら、勝利の喜びを噛み締めた。
「これで、この黒石の迷宮も制覇だな。シロン、ありがとう、お前のおかげだ」
シロンも誇らしげにシオンの隣で吠えた。
この戦いを経て、シオンとシロンは確実に強くなった。ダンジョンを制覇したことで、彼らの力はさらなる高みへと進んでいく。
□□□□□□□□□□
名前:シオン
年齢: 10歳
職業: テイマー
レベル:25
HP: 1000
MP: 750
力: 100
敏捷: 125
知力: 150
スキル: テイムスキル(中級)、魔物探知(中級)、鑑定(中級)
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
名前:シロン
種族: ホワイトウルフ
レベル:24
HP: 1200
MP: 720
力: 120
敏捷: 144
知力: 96
スキル: 成長促進、感知
□□□□□□□□□□
シオンとシロンがマッドボアを倒し、静かにその巨体を見下ろしていた。まだ興奮が冷めやらぬ中、シオンはふと、ボス討伐の証を確認することを思い出した。
「そうだ……ボスを倒した証が必要なんだったな」
シオンは、マッドボアの巨大な体に近づき、討伐証がどこにあるかを探し始める。迷宮のボスを倒した証は、討伐報酬を得るためにギルドへ提出する重要なアイテムだ。シロンも一緒に探し、マッドボアの首元付近で何か光るものを発見した。
「シロン、そこか……?」
シロンが軽く吠え、シオンはその場所に目をやる。マッドボアの首元に大きな黒い牙が埋まっていた。シオンはそれを引き抜こうとしたが、非常に重く、力を入れてもなかなか抜けない。
「重いな……でも、これが討伐証だな」
シオンは気合いを入れて両手でしっかりと握り、力を込めて引き抜く。すると、ついにその黒い牙がスポッと外れた。まるで魔力が宿っているかのように鈍く光っている。
「これがボス討伐の証か……立派な牙だな」
シオンとシロンは、討伐の証である黒い牙を手に入れた後、ふと思い出した。今回の依頼には、もう一つ重要な目的があった。それは、迷宮内で発見できる「魔法石」の入手だった。
「そうだ、魔法石も探さないとな。シロン、探してくれるか?」
シオンがそう言うと、シロンは鼻をクンクンと動かしながら迷宮の床を嗅ぎ始めた。シロンの感知スキルが発動し、魔法石がどこにあるかを探し出そうとしていた。
「頼むぞ、シロン。魔法石はギルドで高く売れるし、次の装備のためにも必要なんだ」
しばらくすると、シロンがある一箇所で足を止めて吠えた。その場所は、マッドボアが倒れた近くにあった大きな岩の割れ目だった。シロンはその割れ目に鼻を突っ込んで、何かを探っている。
「見つけたか?」
シオンはシロンの側に寄り、岩の割れ目をのぞき込んだ。そこには、鈍く光る青い結晶が埋まっていた。魔法石だ。シオンは慎重にその結晶を割れ目から引き抜いた。青い結晶は冷たく、手に伝わる魔力が確かに感じられた。
「これが魔法石か……結構立派だな」
シオンは満足げにその魔法石を眺めた。この石はギルドに持ち込むことで、冒険者たちの装備やアイテムの強化に使われる。今回の依頼では、ボス討伐と魔法石の入手が成功の鍵となっていた。
「よし、これで依頼達成だ」
シロンも満足そうにシオンを見上げていた。
「黒い牙も手に入れたし、魔法石も確保した。あとは無事に帰るだけだな」
シオンは、黒い牙と魔法石を慎重に袋にしまい、シロンとともに迷宮を後にした。二人はエルバードに戻り、ギルドに報告し、次なる冒険の準備をするつもりだ。
「エルバードに戻ったら、アンナさんにこの成果を報告しよう。これで次のランクアップも期待できるはずだ」
迷宮での苦戦を乗り越えた達成感と、今後の成長への期待に胸を膨らませながら、シオンとシロンはエルバードの街へと歩み始めた。
ご愛読ありがとうございます。
これからも本作品をよろしくお願いします。
また、『ブックマーク』と『いいね』と『レビュー』をよろしくお願いします。
気に入った! もっと読みたい! と思いましたら評価お願いします。
下の ☆☆☆☆☆ ⇒ ★★★★★ で評価できます。最小★1から最大★5です。
『★★★★★』なら執筆のモチベーションが上がります!




