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SHAME PUNISHER ~童話征戦~ (仮)  作者: 鎚谷ひろみ
7/8

CASE1 ラプンツェル事件 #5

今回バトルシーンっぽいのがあります……もう、ホントに中二文ですが……

一応次、エピローグでCASE1が終わります……


よろしければ……

さっきまで、土手っ腹に穴を空けていた男はふらっと立ち上がり、異形の金髪男を睨み付けた。



「てっ、店長?!」



彼の傷口は塞がっていて、筋肉質な腹筋が見える。


「くそ、本当に全然人の言うことを聞かない女だよな! おまえ!! 慣れた人間に素直さが失くなるのは、たち悪いぞ!!」

「ごっ、ごめんなさい!」


萌乃は咄嗟に頭を下げた。


「お、オマエコロス! 」


男がまたも、髪の束を光らせ、臨戦態勢をとる。

だが、そこには鳥飼の姿は消えていた。


「殺れるもんならやってみろよ、キモブスオカマ野郎」



鳥飼はナイフを取り出していて、彼の真横にいる……そして美しい髪を束事切った。



バサッ……パラパラ……



「ヴぁぁぁぁぁぁぁ!!」



咆哮が鳴り響く。月夜に照らされた長髪の男は退治される狼男の様だ。


「コロスコロスコロス……」



鳥飼はニヤッと笑い、おどけたようにナイフの持ち手の穴に人差し指を通し、両手を広げた。

「わかっただろ。俺は大丈夫だし。死なないの! わかったら早く逃げろ! 馬鹿女!」

鳥飼は萌乃を睨み付け、彼女に罵声を吐く。


「店長、さっきから酷くないですか!!」

萌乃はさっきから言われる……いつもの彼とは違う暴言に、遂に腹を立てて、ムキになり言い返す。


だが、鳥飼は萌乃の言葉を無視して路地裏の奥に走り出した。

「ニガサナイ……」

男も彼を追いかけて、奥へ入った。



萌乃のは改めて現実場馴れした状態を自覚し、鳥飼が言った言葉を思い出す。



《『深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ』という言葉あります……端的に言えば、怪物と戦う時、自分も怪物にならないように……と意味です。だが、あなたはわざわざ怪物と戦う必要はないでしょ? 》



「ヤバイ!! このままじゃ、店長が怪物になっちゃう!」


彼女はすくんでいた足を両手で叩く。

「よし!!」

そして、彼らを追いかけた。






「まぁ、ここら辺でいいかなぁ……」

鳥飼はそう溢した後、振り返り追いかけてきていた男と向かい合った。


「てっめぇーは『ファーストタイプ』か……だがほとんど『ロストマン』たちと変わんねぇ……どうやら、対価は……自身の美への承認欲求……制御できなくなり自身への醜い関係の暴言に過敏に反応しやっちまったか……ホントくだらねぇ」

「コロス……」

「あぁ、やだやだ……会話は成り立たないし……俺ね、元々独り言多いタイプなんよ……より危ない奴だと思われるわな……あぁ、やっぱりマスク持ってくれば良かった……」

「ヴぁぁぁぁぁぁぁ!!」


激昂した男は髪の毛を数えきれいほど雨の様に飛ばす。金の雨は鳥飼に降り注ぐ。



その時、鳥飼の虹彩が灰色に光り、マンホールを踏みつける。

するとマンホールはコイントスの様に羽上がった。その羽上がったマンホールの蓋に、動きを合わせそれの影に隠れ攻撃を防御するが……何本かは鳥飼の足に、針のように刺さった……


「いってぇ……」


落ちたマンホールの蓋は軽く上下に揺れる。


そして、鳥飼は袖から小さいナイフを取り出しダーツの様に投げた。

だが、男の髪の束がシールドのように防御し、ナイフはその場で落ちる。


「やはり、髪の毛を硬質化させる能力か……大した能力じゃないくせにやるね」

「オマエ、オマエ……」

「だが……ずっとは硬質化ができないんだろ? そして、抜けた毛に関しては数秒後には自然と消滅する……それが今回の事件の全容……お前も俺も大変だな……同情するよ……」

「同情なんてスルナ……憐レムナ……」



萌乃も追い付き、咄嗟に壁に体を隠した。

そして、2人の様子を見る。



そんな事を知らず、男の髪の毛の束が槍のようになり固まり伸びて、鳥飼に迫ってきた。



カラン……



鳥飼のメガネは衝動で外れ萌乃の隠れてる方に飛んでいった……そして彼自身は大きく上に飛びあがり、攻撃を回避する。



萌乃はその鳥飼の姿に見とれてしまう。


『私は、初めて……天使を見た気がする……白におおわれた彼は、人の業を抱えて生きるのか……死ぬのか……できれば、生きてて欲しい……天使と言うより、飛び立つ姿は美しい白い鳥……』



そんな彼女の想いも届かず……彼が降り立とうとする着地点に大きな髪の槍が待ち構えている。


だが彼は……咄嗟に袖から特殊なワイヤーを取り出し、ビルの裏口階段に飛ばし、手摺に引っ掻ける。



シュルルル……



そして、振り子の原理とコンクリートがめり込むほどの壁蹴りを使い、高速移動し男の背後に回る。


「これで終わりだ……」



鳥飼は小型の黒のブレードを出し、瞬時に男のひじ間接とひざ間接に叩きつけた。



ダッダッダッダッ!



「ギャァァァぁぁ……」



何度も男は、虹彩を金に光らせ様とするが……髪は硬質化しない。



「安心しろ、四肢は切らない……お前の戦闘気力を奪わせてもらった……ただ、四ヶ所折れてるとは思うが……それは謝る……元々精神が安定してないから、これ以上はもう闘えないだろう……」



男の手と足は見るも分かるように折れ跪き、うめき声が小さくなっいく。


「バッ……バケモノ……」

「お互い様だろ……」



そして、男は倒れ意識をなくした。

鳥飼はその姿を憐れむような目で見つめる。

そして、スマホを取り出し電話をかけた。



「黒瀬か……こっちは片付いた。いつも、すまない……バレないように偽装してもらって……あぁ、西条ヒカルは戦闘不能……気絶している。後で警察に電話して逮捕させてくれ……証拠は……とりあえず奴の近くに凶器と照合できそうなやつを置いたから……それに証拠も警察に送りつけたし……警察の上層部も動いて、犯人として告訴されるだろ」


「店長!!」


萌乃のが彼のメガネを持ち心配そうな顔で近づいた。そしてメガネを掛けてあげ、鳥飼の手をとる。


「怪我! してないですか!? 」


鳥飼はその手を振りほどき、冷た顔つきで彼女を見つめた。

そして、小さなナイフを袖口から取り出す。



「お前を殺す……」

「えっ」



それから、彼は急にニコっと笑う。


「と言いたいところだが……君は、ウチにとって良い従業員だ。だから……今日の事は忘れろ……そして、今回の事は誰にも口外するな……いいね」


萌乃は突き立てられたナイフに息を飲み、ゆっくりと頷いた。


「それから別に、僕の事が怖くなってバイトを辞めるのはかまわない……だが君は今回の件で、深淵側に足をつっこんだ……僕含め、他の深淵は君を逃しはしないかもしれない……そう、心に留めて置いた方がいい。だからこれからも……黙って僕の奴隷とし働く事をお勧めする……いいね」




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