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SHAME PUNISHER ~童話征戦~ (仮)  作者: 鎚谷ひろみ
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CASE1 ラプンツェル事件 #2

ええっと、警察のサイド書くのむじゅい……

警視庁本部庁舎の会議室で、20人くらいの刑事が集められていた。


警視らしき40代の男性が入ってきて周りを見渡す。


『今回……世間を……いや東京で騒がしてる『ラプンツェル事件』に関して、我々警察の威信をかけて解決しなければならない……』



警視官はホワイトボードを叩き、部屋にその音が響く。





「と……言われてもな……」


会議が終わり、金木警部は首を掻きながら出てきた。相棒である原田は頬に手を当てて唸っている。


「今、わかってるのは……犯人は金髪の女……凶器は見つからず……いまだに所持している可能性がある……身長は確定ではないが168センチ前後……? 中肉中背。服装は……なんだっけ? 原田……ゆるふわだっけかな……?」

「あれですよ、上が白と下が黒のゆったり目の服です。でも目撃情報と現場のカメラでの情報になんか多少誤差が出てるみたいで……確実とは言い切れないみたいですけど……」

「この現代で犯罪を犯したら、ほぼ捕まるのにどうなってんだよ」

「うーん、あと現場には目撃情報では被害者の周りに、なぜか長い金髪が落ちてるみたいなんですが……数分を立たず、消えるみたいですし……」

「くそ! なんだよ、金髪が消えるって……意味わからねぇ!!」

「死傷者9人。被害者は基本長い髪の毛のが共通点くらいで……男女バラバラ……あと、なんなんでしょう? 金髪の女が長髪の男女を襲う……ラプンツェル事件って……まったくふざけた事件ですよ……それに、最近……人が変異的に暴徒化する事件もありますし……それに、正義の味方と名乗るコスプレをした男の暴力事案にされている事件もありますし……」

「あぁ……くそ! コロナが収まりつつあるのに、何でこうもめんどくせぇ事が増えるんだよぉぉぉ」



刑事二人は頭を抱え悩む……






夜、新宿歌舞伎町のディスカウントストア近く……


月が綺麗に輝いている。今夜は満月。



上白石 京子はディスカウントショップで買い物をした帰りだ。



「うぅぅ……」


金髪の女性らしき人物がうずくまっている。


「大丈夫ですか!?」


起き上げると怪我などはない。

「どこか痛みますか?」

彼女は、スマホを取り出し病院に掛けようとした。



「おい! 姉ちゃん達、今からホテルにでもいくのか? レズりにいくのか~」


心ない輩の笑い声、世の中良い人間ばかりではない。特に、ここ歌舞伎町では、そんな輩が多い。

だが、そんなのはこの町では日常茶飯事。周りの人々はお構い無しに過ぎ去っていく。


「うるせぇ! こっちは介抱してんだ……うせろ、ブサイク!」

「なんだと! ガキが!」


そんなやり取りがあっても、人々は足を止めない……


京子は多少、格闘技の心得があり男勝りだ……いい人かどうかは、何とも言えないが友人である萌乃と関わるようになってからは、いい人が伝染している。



京子は、その輩と向かい合い臨戦態勢をとる。



ザス!!



「うぁぁ!!」



目の前の輩は、京子を指差し退く……彼女の脇腹に赤い花が広がっているからだろう……


彼女は、ゆっくり熱を帯始めた腹にようやく気付き呼吸が浅く早くなる……

足元がぬかるむ様に、彼女はバランスを崩した。


そこでようやく周りの人達はことの重大に気付き、足を止めた。




京子は薄れいく意識の中で、さっきの金髪の女性はどうなったかと気にしている……

そこにはそんな女性はいない……だが、彼女がそこに居たかのような金色の髪だけが残っていた。



「いい人って大変なんだ……」

そう呟き、彼女は目を閉じた。






後日、友人である萌乃に、京子が通り魔に刺された連絡がきた。一命は取り留めたがまだ学校に来れるほど回復していない……

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