CASE1 ラプンツェル事件 PL
ええっと、姉さん事件です!!
それが言いたかっただけです……
『まもなく、三番線高尾山 山口……発車します』
プルルルル……
たったったった……
「どけよ! どけ! 邪魔だ!!……」
ロン毛の太っている臭そうな男が沢山いる人をお構い無しに、ほぼ暴力的に退けるようにする。
それでも、向かってくる人達にも暴言を吐きつつ進む。
周りの人は不快そうに、もしくは関わらない様に避ける。
「邪魔だよ! どけよ! …… おい、女!! ブスが!……」
ザス……
暴言を吐いてた男の罵声が急に止まる。
人の波はお構い無しに流れていく。
バタッ……
「きゃーー!!」
男は倒れ……ビクビクと動き、息が細くなっていく……
魚も死ぬ時はこのような感じだろうか……口をパクパクさせ、自分の不甲斐なさすらも感じず……その足りない脳のお陰で……
彼の汚い血は、一面に広がる……
それに伴い長い金色の髪の束が落ちている。
数人の人は止まるが、スマホのシャッター音が止まらない。そして人の波は止まらない。
彼の血なんてしょせん、泥水と一緒だから……
その汚い泥水に金色の髪が混ざるように溶けていく……