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battle5 (3)



……ん??


全く痛くないんだが。


あれ???


矢ってほんとにこんなに無痛なのか?


だから弁慶も立っていられたのか?


いや、でもこれはおかしすぎる。


血が出ていない。


痛くはなくても、普通血は吹きでるはずだ。



それがないということは、、?


なんか嫌な予感がする。



僕は背中に手を回し、自分から矢を引っこ抜いた。


というよりも、引っこ抜くまでもなく力を入れずにその矢をとることが出来た。


その瞬間も全く痛くなかった。



この時僕は既に悟っていた。


ただ、認めたくないだけだ。




──────また、Aに阻止されたのだと。




矢を自分の方に持ってきて確認すると、予想通りそれは玩具の矢にすり替えられていた。


矢先が吸盤になってるタイプのあれだ。




「はああああ」




僕は大きくため息をつき、その場に仰向けに寝転がった。




「なあ、もうでてこいよ。どっかでまた見てるんだろう?お前の目論見通り僕は死ねなかったよ」




沈黙約3秒後、押し入れの方からガサガサと物音が聞こえた。


そして予想通り、よく見知ったというかもう見たくもない顔が現れた。




『なんでここにいるって分かってたの!?こわっ。え、こわっ』





は、、???


まじでうざいんですけど。




「いや、ほんとにうぜーからはよ出てけって。怖いのはこっちだわ。僕しかいないと思ってた部屋に実は誰かいましたとか洒落になんねーくらいこえーわ。なんで家ん中普通に入れるんだよ。また写真使ったとか言うんじゃねーだろうなあ?」



するとAはよくぞ聞いてくれましたと言わんばかりに自慢げに笑いながら口を開いた。




『それが今回は違うんだよ。なんと、俺は大家さんに顔を覚えられましたー!そして顔パスで入れたんです。あー嬉しい。嬉しすぎて俺泣いちゃう』




まて、え?は?


顔パスで入れたってことはこれからもすんなり侵入されるってことか!?


死ぬ。


それは最悪すぎて死ぬ。



いや、死ねなくなりすぎて死ぬというか。(矛盾)



とにかく、もしAの言っていることが真実なら、これは僕にとって死活問題である。


大家さんに言ってもう入れてもらわないようにしなければいけないけど、なんと言っても僕んちの大家さんはお人好しでとっても優しいおばあちゃんだ。


きっと言ったら、喧嘩でもしたのかとか、とても心配してくれるんだろう。


余計な心配はかけたくない。


本当にいい大家さんだからな。



かといってAにはもう二度と家には来ないでもらいたい。



はーーーー。


これは、難題。




「とりあえず早く視界から消えてくれない??」




僕はこの無理難題を抱えながらも、とびきりの営業スマイルでAに言った。


いまはまず、Aを一刻も早く僕の家から帰らせることが最優先だと思ったからだ。




『へいへい〜。そんなに笑顔で言われちゃあこっちも聞くしかねえわ〜。また来る。じゃあな』




「いや、一生来んな」




きっとAは来るなと言っても絶対にまた来る。


はあ、ほんとに最悪。


うぜー。



Aの後ろ姿を見ながら、僕はAに僕の家の敷居を跨がせない方法というとてつもない難題を考え続けていた。




battle5編が終了しました。

またしてもAに死ぬことを阻止されていらだちが隠せない様子の僕。なんかこの2人のやりとり可愛い。(笑)

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