モンスター コアの世界観
ある日、突然、山が黒い何かに塗り潰されて消滅した。何の前触れも無くそれは現れた。過去一度も観測された事例も無く、神話にまで記録を遡っても類似した現象を示すものは存在しなかった。
円を立てに引き伸ばした形状の黒い物体が場所を問わず至る所に出現し、嬉々として生物を殺しまわる化け物を世界中に産み落とした。化け物は人や野生動物を襲い肉を抉る。しかし、食すことはせずに、ひとしきり肉を抉ると、別の獲物に襲いかかる。人々の抵抗は虚しく圧倒的な力と物理法則を無視した不思議な能力で蹂躙されていった。
それも今は昔の話、何かを思い出したかの様に起こった原生生物の進化。そして、偶発的に発生した総称して使徒と呼ばれる天才の大量発生。それにより、中世ほどしか発展していなかった人類は対抗するに足る戦力と技術を手に入れた。一世紀経つ頃には、ついに、生活圏を90パーセントほど取り戻すことに成功した。
人間の武器となったのはコアと呼ばれる物質だった。コアは化け物が死亡した時にその場に残る核である。コアに触れる事で能力(魔法)を使えるようになったのだ。
研究も進み、化け物の生態や能力の詳細も分かってきた。黒い物体は世界で初めて目撃されたものから巨大な顔が覗いていたことから窓と呼ばれた。窓の向こうには別の世界が広がっていて、そこは外界と呼称された。
化け物の事も解明されて来た。彼らの身体はマナと呼ばれるエネルギー物質で出来ており、外界からやって来たことにより外生生物と呼ばれている。彼らも嬉々として殺害しを繰り返していたわけでは無く、エネルギー源であるマナと物質を摂取するためにコアを食す行動だっだと言う事が分かった。モンスターの明確な弱点としてコアを切り離すと言う事も判明した。
技術の進歩により人類はモンスターに勝利したと言っても過言ではない。しかし、安泰と言いうわけでも無い。外界には、単体で人間を絶滅まで追い込むことのできるモンスターが複数体存在している。他にも不透明な脅威が無数にあると言れている。
それに対抗するために生まれた組織が学園である。そこは全ての人間を聖母の如く受け入れ、悪魔の如く振るい落とす教育機関であり、人類最強の剣と盾を兼ねる防衛機関となる。
これは理不尽が襲い掛かる学園で奮闘する生徒たちの物語である。