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モンスターコア  作者: ざっくん
スパイ疑惑
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25話 学校生活開始

あれから何事もなく時が過ぎた。

制服も配られ、始業式も終わり、正式に学園の生徒となった。これからリュートが通うことになるクラスは14組である。事前に発表されたクラス表では運が良いのか受験で知り合った人たちと同じクラスだった。しかも、そこには何故かコアの名前が記載されていた。

リュートが制服を着て支度を済ませ部屋から出る。受験から数日たち学園に慣れてきたリュートは階段を降り迷いなく目的地である学園の中心へと向かう。学園は大きな島となっていて、学園内にはそこで暮らす上で困らないほどの施設と仕事がある。リュートは魔動路(マナ自動動路)に乗った。これは、学園内の主な移動手段であり数多くの人が利用している。魔動路は白い動く床と透明な円筒状が合わさった見た目をしている。乗り方はと言うと各場所にある駅という施設に入り自分のカードを持って所定の場所で立つだけである。そうすれば、地面が徐々に加速していき本線の魔動路と同じ速度になると合流、結合する。常に動いていてなり早いそのため風の抵抗が大きくそれを無くすために道の進行方向に風が吹いている。ただ、本線に合流する頃には自分自身も同じ速度となっているため風を感じることは無い。おりる時は道端駅方向に現れる黄色い線く区切られたところに立って待っていれば良い。仮に黄色い線いっぱいに人が入ってしまった場合は線が拡張されるため駅に降りれないなんて事はない。リュートが魔動路を降り、駅から出るとそこには五つの大きなビルとそれには及ばない程ではあるがそれでも大きなビルが数十と並んでいた。リュートは五つのビルのうちの一つに足を運んだ。一階のエントランスからエレベーター(転移エレベーター)を利用し、教室のある階へと転移し教室に入る。教室内は机と椅子の組みが三十ほどと、一段高くなっている所に教卓が配置されている一般的な教室だった。リュートは黒板に映し出されている通りに座って待つことにした。席順は五十音らしくリュートの席は左後ろの一番は端となっていた。

「なぁ、強い奴いるか?」

カイトがリュートの耳元で周りをキョロキョロしながら聞いた。

「カイトの知らなそうな人だと…」

リュートは複数人指を刺した。

「あっ、でも化けそうな人も結構いるよ」

リュートが付け加えて言った。

「おっ、当たりだな」

カイトが獲物を見定める様にクラス中を見渡した。

ガラガラガラ、

二つある開き戸の教卓側から教員のリオンが入ってきた。

「お前ら座れー、やる事やって時間余ったら…訓練だ。スタートダッシュキメるぞ!」

「…ッ!」

カイトは素早く静かに自分の席に着いた。

「まずは提出物から…」

自己紹介時に一悶着あったものの物事は恙無く進み遂にその時が来た。

「思いのの他時間が余ったか…何するか、」

教員リオンがどうしたものかと呟く。

「よしっ、やるか、お前ら起立しろ今から空いてる訓練場に移動するぞー」

そう言って教員リオンは教卓で何かを操作し、生徒の状態を確認した。

「じゃ、行くぞ」

教員リオンは教卓に自分のカードをかざした。

「訓練場.5 への転移を行います。よろしいですか?」

無感情な音声とともに生徒全員の机の上に転移するかどうかの選択を求めるホログラムが出現した。

「見ての通りだ。訓練場.5に移動する。『はい』のボタンを…お前早くないか?」

教員のリオンが説明を開始する時にはカイトは選択をもう済ませていた。

「はやる気持ちが抑えられず、か、体が勝手に…!」

カイトはハッとした様子で冗談まじりに言った。クラスで笑いが起こり、その後、魔法と運動着の準備を終えて訓練場へと転移した。

「何からやるか…じゃあ、戦うか教えるより見たほうがイメージしやすいだろ。後でネタバラシしてやるからかかってこい。人間のコアだけで何が出来るか教えてやんよ!」

障害物の無く踏み固められた土で出来たデフォルト設定の訓練場のど真ん中で教員のリオンが宣言し、手持ちのコアを何処からともなく取り出した箱に詰めて後ろにポイっと投げた。

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