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モンスターコア  作者: ざっくん
受験戦争
27/93

21話 森のアサシン.1 2/24 手直ししました。

 リュートはカイザから逃げた後、森林地帯に来ていた。


「ふぅ、(逃げ切れたかな?)」


 後ろを振り返る。見えるのは木ばかりで、後をつけられている様子もない。

 反省も兼ねて先程の戦いを思い返すことにした。


(まずはカイザ…)


 『水魔法』で形成した長物、主に槍を用いて戦う。戦法は圧倒的な技術を軸にしたゴリ押しだと予想していた。しかし、本質は全く別のものであった。硬質系の『糸魔法』と『消音魔法』を駆使しする狡猾な立ち回りをしていた。

 さらに、比較的硬い『岩魔法』の筒やドームが難なく切断されたり、逆に『岩魔法』のナイフで糸が切れなかったりしていた。それは、『硬質化魔法』により性質をそのままに硬度が上がっていたためだと予想ができる。

 隙をついた際に発動された上向き()の『重力魔法』。これで、カイザの持つ魔法について粗方の見当がついた。


 『水魔法』『糸魔法』『重力魔法』『硬質化魔法』『消音魔法』である。


(情報って大切だよね…本当に…もう本当に…)


 リュートは情報の大切さをしみじみと感じる。それと同時に、昨日の試合でカイザから何も引き出せずに散った対戦相手に対する怨みがそ膨れ上がる。


(でも…運が良かった)


 リュートは長い間相対していながらカイザの初見殺しじみた糸による攻撃に晒されることは無かった。


「ありがとう」


 振り返り山岳地帯に手を合わせる。身を挺し攻撃を受けてくれた少女とナックに感謝して黙祷を捧げる。


 特に良いところなくリタイアしたナックであるが、実はかなりの実力者である。

 主に『爆破魔法』を使用した正面戦闘を得意としている。

 『爆破魔法』とは、爆発を発生させる運動魔法の一種である。射程が短く扱いづらいため『座標魔法』や『付与魔法』などと掛け合わせる運用が一般的である。

 しかし、彼はカイトと匹敵する戦闘センスと反射神経に、爆発する手を加えて殴りかかって来る。    

 それを可能にするのは基本技術の魔糸をさらに進化させた発展技術の魔布である。

※魔糸・・・主に弓の弦に使われている技術。耐久力に優れ、伸縮も自由自在である。しかし、デメリットとして、自分以外の魔法や物理的接触に弱く簡単に壊れてしまう

 魔布(まふ)とは、魔糸を布状に広げたものである。

 ナックはそれを駆使して自分の手と体をを守っている。それを良いことに彼は『風魔法』『圧縮魔法』『衝撃魔法』で爆発を極限まで強化した『爆破魔法』での、ノーリスク自爆特攻とか言う理不尽を押し付けて来る。出会ってしまったら逃げるに限る「避けるべき相手」である。


(…何あの理不尽!)


 唐突に複眼の少女を思い出した。

 実技試験の得点が高くないためマークから外れていた。それなのに強い理不尽なほどに。


(逆に昨日の試験が気になる…)


 あの強さで点数が低くなるのは想像がつかない。

 魔法については分かりやすかった。冷静になって考えれば理解するのはそう難しくない。

 彼女の種族がピクシーであることを前提としてかんがえる。

 空を飛んでたのは『飛翔魔法』である。それは羽に特化した『衝撃魔法』で虫や鳥系のモンスターが持っている。

 風の大剣も『念力魔法』が『身体魔法』で補助することで扱っていると予想できる。

 あの正体不明で女性をリタイアさせた攻撃は複眼と『魔眼魔法』の合わせ技である。攻撃系の魔法と組み合わせている。

 

(見えないのはずるい。複眼のせいなんだろうけど…)


※魔法は発動時に一定以上のマナで発動すると、魔法が持つ特色に合わせて魔法自体が可視化される。

 少女の場合は複眼一つ一つで発動させた弱い魔法を『屈折魔法』の様な運動魔法で一点集中させる。そうすることでとても見えにくい攻撃を可能としていた。着弾地点はしっかりと色を見ることができるはずである。

 しかし、カイトが言ってたようにマナの消費が多く連発は出来ないと言うデメリットも抱えていた。


(目の一つ一つで魔法を発動させてるんだ…改めて考えるとすごい技術)


※『魔眼魔法』・・・『声魔法』と似たような性能で視線に魔法をのせることができる。


(これで大体分かったかかな…ん?)


 リュートが少女に対する考察を終わらせようとした時、重大なことに気づいた。


 『風魔法』『魔眼魔法』『飛翔魔法』それと、大剣を振り回すための魔法、視線を集めるための魔法、魔眼魔法と掛け合わせる魔法。


(6個?…後で考えよう)


 考えることをやめた。


(糸…)


 まだ対戦の可能性があるカイザについてのこうさすにシフトした。

 戦った経験から糸で自陣を固めてから迎え撃つ戦闘スタイルだと言うことが想像できる。

 余計な戦いをするタイプにも見えない。

 よって、見つけたら避ける。バッタリ会ったら戦う。


(これで良いだろう。無理に逃げると隙になる)


 などとリュートが悶々と考える。


(ん?)


 隣のサバンナ地帯からサリアのものと思われる『声魔法』のブレスが空に向かって立ち登っていた。


「サリアは不利なルールなのにすごいな~」


 考えすぎて疲れたため独り言を言って気を紛らす。


「…ッ!」


 リュートは後ろに振り向く。モード2の発信機で先程まで手前にあった赤点が背後に移動していた。

しかし、目の届く場所には誰もいない。再び発信機に目を移すと右側に赤点が付いている。


(速い、速すぎる)


 状況を呑み込めずに混乱する。森の中とはいえ人に気づかれず移動するのは簡単なことではない。

 休む間もなく赤点が四方八方へ移動し始めた。


(囲まれて…)


 よく目を凝らすと木の影にこちらを伺う人影を見つけた。

 その人影は見つかった事に気づいたのか何かを投げて来た。

 身を守るために盾を形成して構える。攻撃を弾こうとした時、周囲を囲むように八つの『光魔法』のナイフが飛んできた。

 咄嗟に地面に倒れナイフを躱す。仰向けに倒れたためすぐさま『岩魔法』で自分を囲うようにドーム状の壁を作った。


ガキン!


 ナイフが()()ドームに当たった音がした。

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