11話 アヤメvs植物使いの少女 1/6 手直ししました。
麻緑の髪の少女がコート内にぽつんと立っていた。いつになっても対戦相手が現れないので不安を感じ辺りをキョロキョロと見回していた。
(これ、どうなるのです?不戦勝ですか?待つですか?)
「ほっほっほ、ふー、セーブ」
アヤメが息を切らしながらコート内に走って来た。そして、手を水平方向に広げながらザザザッと土の上を滑った。
「それでは、始めてください」
アヤメがコート内に入った直後に間をおかず、アナウンスがなった。
「え…、」
アヤメが複雑な感情でスピーカーを見上げた。
「よろしくなのです!」
対戦相手の少女が声をかけ魔法を発動させる。『空間魔法』『腐食魔法』『減速魔法』を組み合わせて効果範囲内に居る自分以外のものを腐食させ、動きを鈍くする結界を展開した。『腐食魔法』と『減速魔法』は『空間魔法』で効果範囲を広げているため人体にそこまで影響はないが、確実に効果を発揮している。
「ん!」
アヤメはスピーカーを見上げていたため出遅れたてしまった。そのため魔法発動の隙をつけずに待ってもダメ、攻めるの厳しいと言う手詰まりの状態になっていた。とても短い熟考を重ねた結果、『縮地』『速度魔法』『硬化魔法』を発動させて、腕のみを硬くしラリアットの構えで超高速突撃をした。
「わ、わわわわわぁぁ!わぁ!」
巻き上がる砂埃と闘牛のごとき突進の迫力に少女が気圧され足がぐらつく。そして、つない足つきながらも横に飛んでアヤメのラリアットを回避する。
「ん、覚悟!」
再びアヤメがラリアットを狙う。
少女は先程舞った砂埃の影響でアヤメを正確に捉える事ができず、身体能力の低いピクシーではラリアットを躱す事が出ない。よって、アヤメの突撃を正面から向かい打つ。『植物魔法』で生成した棘のついた蔦を前方の砂埃に向けた。
「おりゃーー!」
砂埃を突っ切ってアヤメが向かってきた。
「止まるのです!」
アヤメに棘のついたの蔦がが巻きつく。棘が肌をひっかき、結界と合わせてアヤメの障壁がゴリゴリと削れていく。さらに、蔦が絡まり動きの鈍くなったアヤメの前に『壁魔法』の障壁を生成する。
「ぐぉぉーー!」
アヤメは無理やり蔦を引きちぎり、障壁を頭突きで強引に破壊し突破する。
「おらぁ!」
アヤメはついにラリアットをきめることに成功した。少女がギリギリのところで蔦をクッションにしたものの攻撃に耐えられず吹き飛ばされた。
「ふー、よし……ん?」
アヤメが地面に倒れ込む少女にトドメを刺そうとしたその時、ある違和感を感じた。障壁が破れる威力を出したわけでもないのに、それが砕けたと言う感覚を覚えた。恐る恐る自分の腕をつねって確認する。
「試合終了!」
「あ………」
審判の掛け声がこだまする中、アヤメは自身の負けを確信し青ざめた。
ーーーーーー
待機組、
「受験時にテーブルゲーム借りるほうもそうだけど、貸すほうも貸すほうだよな」
カイトが相手の白い石を黒い石を裏返す。オセロ(リバーシ)でサリアと対戦をしていた。
「ここじゃ無かったら絶対ありえ無いわよね。ここ来れれば受かるし、そんなに気にして無いのかもね」
サリアは石を一つ置く。
「放任主義なんだろ実力が有れば何でも許せるらしい」
「それは言い過ぎじゃない?それが正しかったら秩序と無くなるわよ」
「そんな噂が出来るほど上位の人間は好き勝手できるて事だな」
「馬鹿がよく分かりもせず言ってるてだけの可能性もあるけどね」
「ん?どう言う事だ?」
「少しは自分で考えなさいよ」
「そういうのは、リュートに任せてる」
「そんなんじゃ、いつか後悔するわよ」
「アッ!そこがあったか、降参だ。だか、結構ゲームバランス良かったな」
「私の勝ち越しだけどね」
「次だ次、」
カイトが片付けてまた新たにゲームの準備を始めた。
「ただいま、」
試合を終えたアヤメが帰ってきた。
「おかえり、あっ、そうだ!みんなで大富豪しましない?」
サリアがトランプを取り出す。
「おっ、いいぜ!やろう!」
カイトはチェス台を片付ける。
「カリスもやるわよ!こっちきなさい!」
サリアがカリスの腕を引っ張って連れてくる。
「そなた達、勉強はいいのか!?」
引きずられながらカリスが訴える。
「いいじゃない、落ちる奴なんて居ないんだから」
サリアがカリスを引っ張る。
「ポイントがあるだろう!ランクは重要だぞ!」
「…いいから、いいから」
サリアは少し後ろめたさを感じたが、さほど気にしなかった。
「さぁ、やるぞ!」
カイトがカードを配った。
ーーーーー
「さぁ、大貧民よ!カードをよこしなさい!」
サリアが言った。
「くっそー、持ってきやがれ!」
サリアとカイトがカードを交換した。
「アヤメ殿、カードだ」
カリスがアヤメにカードを渡した。
「ん、」
アヤメがカードを受け取る。
「さぁ、もう一回やるわよ」
四人はかなり盛り上がった。




