4話 受験同盟 12/18 手直ししました。
「ん?あれ?飛んでる?え?え?」
少女Bが戸惑い少し取り乱し固まる。
「ん、時間間違えた。」
戸惑う少女Bを見て少女Aが目覚まし時計を持ち上げて言った。
「あの二人は何も悪くない?」
少女Bが少女Aの耳元でコソコソと話した。
「へんたいじゃなかった。」
少女Aが淡々と応える
「う、うぁぁ〜〜…」
恥ずかしさのあまりその巨大な尻尾に抱きつき、その場で縮こまって悶えてしまった。
「どうする?あやまる?」
「そうね、謝らないと。ちょっと待って、私、罵倒してない?馬鹿とか、変態とか、そんな言っちゃダメな事言ってなかった?謝って許してもらえる?どうしよう、アヤ」
少女Bが少女Aの肩を掴み詰め寄った。
「大丈夫、リアは朝弱いからしょうがない、許される」
少女Aが手を押し返して言う。
「そんなわけないでしょ!『しょうがない』で許されるくらい心広い人なんてそうそういないわよ!早いうちに全力で謝って終わらせて来る。必要なら土下座も辞さないわ
」
少女Bが覚悟を決め立ち上がった。
「え?」
少女Aが服の裾を掴み少女Bを引き止めた。
「それはダメ、そんなリア見たくない」
「もう、手遅れよ…」
「ん、確かに、じゃあ、大丈夫」
「何が?」
「レッツ土下座、ガンバ、」
「うっ…」
ーーーーーーーー
その頃、コア達も作戦会議をしていた。
「あの反応から見るに、時間を間違えたのじゃろう。こっちに非はないはずじゃ。堂々としておれ」
コアが言った。
「あの二人もそれは分かっているはずだ。それを抜きにしても、初対面の相手にあの罵倒はイカれてる。娘が父にする罵倒くらいの威力があった。今後も関わらないのが最善だろうな」
カイトが言った。
「でもカイト、あの二人結構強いよ」
リュートが言った。
「よし、友達になってくる」
カイトが立ち上がった。それと同時に、立ち上がった少女Bが近寄って来た。
「この度の非礼、誠に申し訳ございませんでした。」
少女Bが深々と頭を下げた。
「全然平気だ。そこまで畏まって謝罪するほどのものでもない。寝ぼけてただろうししょうがない。俺はカイト、でこっちはリュートだ。お互い頑張ろうな」
カイトが言った。
「そうですか。ありがとうございます。私のニックネームはサリアと言います。向こうに座っているのはアヤメです。お互いがんばりましょう」
サリアは淡々と話し、少女Aを指し示めた。そこには、いつのまにか椅子と髪を直すしていた少女Aが座っていた。
「そうだ、四人で受験前の最終確認しないか?数の多い方がいろんな意見が出て想定外の事に対する対策にもなるしな」
カイトが提案した。
「それは良いですね。少し準備がいるのでそちらで待っていてください」
サリアが言いい、戻って行った。
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カイトが立ち上がったのちにリュートとコアが話し合っていた。
「待つのじゃ!全く話が見えん何が起こったのだか全くわからんのじゃが!?」
コアが困惑しリュートにコソコソ話しで話しかけた。
「うーん、えっとね、カイトは簡単に言うと戦闘狂なんだよ。ただ、『戦いたい』って言うのじゃなくて、『戦って強くなりたい』って感じなんだけど。だから、学園で手合わせしてもらうのが目的だよ。凄く現金な性格してるでしょ。まぁでも、一度友達になったらちゃんと友達としての義務は果たしてくれる優しい人だよ」
リュートが答えた。
「つまり、相棒は今あの女どもの体狙いと言う事じゃな!」
コアが冗談混じりに言った。
「僕はちゃんとフォローしたからね」
リュートが若干の呆れを見せながら言った。
「それはそうとして、あの女子らがその受験とやらに合格するとも限らんじゃろう。ご主人様達もそうじゃし、学園とやらで会えるかどうか分からんのにご主人様は、まるで、四人全員、学園に行けると言う前提を持って話しているような気がするのじゃがどう言う事じゃ?」
コアが疑問を投げかけた。
「それは、十中八九僕達は合格するからだね。と言うか、この飛行船に乗っている人全員受かるとといっても過言じゃない。相当な事をしない限り学園には入れる。確かに学園の先生や設備の質も高いし、あらゆるの分野で世界の最先端を走っている。さらに、受験にお金がかからない。当然多くの人がこの学園を受験すんだけど、学園はそれ以上に人を受け入れることが出来るんだ。学園というより国として考えた方がしっくりするかもしれない。だから、僕は学園に行くことじゃなくて学園で何をするかを考えてるだよ。頑張んないと破産して帰ることになるよ」
リュートは答えた。
「それなら、何故、昨日必死に勉強しておったのじゃ?」
コアがさらに質問した。
「学園には、ある階級制度があってランクが数種類ある。僕達はランクBを目指してる。けど、かなり厳しんだ。奇跡が起こればって感じ。ランクBになれるのは学園の各学科上位30%くらいかだからね受験の時のポイントだけでランクBは結構厳しい。」
リュートが説明した。
「ランクとやらが高いと何が起こるのじゃ?」
コアが続けて質問した。そこに、カイトがサリアとの会話から戻って来てコアの質問に答えた。
「それはな、金がもらえる。初めの一年間、ランクに応じて補助金がもらえる。それに、何かをするには、資格ってのが必要なんだけど入学時のランクが高いといくつか免除される。俺たちの目的はこっちだな。あとな、一緒に勉強することになった。場所の準備するぞ」
「分かった」
リュートが答えた。そうして、二人が準備を始めた。
コアの置いてある椅子をそのままに、座っていた椅子を回転させて、壁に取り付けられた机を取り出し、支えを立てた。準備を済ましせたころに、サリアとアヤメが荷物を持って現れた。
「待った?準備終わったわよ、始めましょ」
サリアが話した。
「…」
サリアの態度にカイトが驚き見上げた。
「あ、あぁ、これが素の私よ。さっきは塩梅間違えちゃったみたいで、戻った時に『やりすぎ』って言われたのよ」
サリアが言った。
「そうか、俺は今の方が親しみがあっていいからそのままでいい、よろしくな、そっち側の椅子に座ってくれ」
カイトはそう言って向かいの席を指し示した。
「その…準備までしてもらって悪いんだけど、場所交換してもらっていい?その、私の尻尾普通のより大きくて尻尾用の穴に収まりきらないのよ」
サリアは申し訳なさそうに自分の尻尾を指差して言った。
「そうか、なら仕方ないな」
「そうだね」
カイトがそう言うと、カイトとリュートが席を立ち移動した。
「ありがと」
サリアはそう言って、二人が席に座るのを確認した後に、席座り背もたれを下げて座った。
「ん、んーー、」
サリアが尾を伸ばした。すると、
「イテッ!」
窓際の席からコアの声がした。




