3-1 見知らぬ美少女のお叱り (ルート分岐有り)
大湊進士は、ごくごく普通のサラリーマンである。
祖父母から管理を受け継いだ少し古いが大きな一軒家に、住み込み家政婦さん(高スペック和風美少女)と二人で住んでいる。
住み込み家政婦さんの名前は、白上美春。
小柄で色白な和風美少女である。
美春と出会う前の進士は、全体的にどんよりとした暗い雰囲気を身にまとっていたが、美春の献身的なお世話のおかげで、最近は栄養状態が回復し、ごくまれに笑顔を見せるようになっていた。
ある日の日曜日の夕方。
大きな荷物を持った美少女が訪れる。
花方雪奈。年齢十八歳と名乗った。
肩よりも長いサラサラな黒髪。整った顔立ちで足が長い。健康的なプロポーションをした今どきの美少女だった。
「どうしてメッセージを送ったのに既読つかないのよ。もう帰りの電車ないんだけれど!」
進士はいきなり怒られた。
見知らぬ美少女のお叱りである。ご褒美かな?
「誰だっけ?」
彼女の顔には見覚えがあるような気もするが思い出せない。進士は訝しんだ。
「これを見てよコレ」
そう言って、雪奈はスマートフォンの画面を突きつけた。
画面には、某大手マッチングアプリの相性診断が映し出されていた。
「まぁ! 進士さんとの相性が120%!?」
和風美少女の美春が驚いた声をあげた。
「あっ、思い出した!」
家政婦の美春と出会う少し前。進士の仕事が超絶ブラックに忙しかった頃。
何気なくインストールしたマッチングアプリで「相性良好」ということでマッチングした女の子。
仕事で忙しいなか、メッセージ交換でいずれ会う約束をしていた。
いきなり訪ねてきた雪奈も悪いが、忘れていた進士はもっと悪い。
「このアプリの相性診断はかなり正確で有名なワケ。
世間では相性80%以上のカップルは、ほぼほぼ円満結婚しているらしいわ」
「では、相性120%ということは……(ごくり)」
肌の白い美春の顔色が青くなった。
「二人は結婚していて、すでに子供が三人くらいいる?」
「いないわよ!」
雪奈曰く。
「相性120%もあれば、二人はすでに付き合っているも同然」とのこと。
ルート分岐:雪奈とお付き合い
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