前室にて…その②
僕とティナが準備を終えて前室から出ようとしていたその時…ジーナがテレパシーで話しかけてきた。
「うふふふ…殿!な〜あ…ウチ準備出来たからウチの衣装…見に来てくれへん…?
ウチな、殿が喜んでくれるかなと思って人間界の流行りの衣装で婚礼の儀に臨もうと思うねん!」
僕はジーナとジーニャさんが人間界に二人きりで来た事を思い出した…
…ああ…そういう事だったのか…
人間界の…女性の可愛い服を調べて僕に気に入られようと…
可愛いなあ…ジーナは…
ジーニャさんも同じように…本当に感謝しなきゃ…
「分かったよ…ジーナ…可愛いドレスを見せてもらうよ…」
僕は部屋を出てジーナの部屋に向かった…
「ドレス…?…やないんやけどなあ…」
僕はジーナの部屋をノックした…
「はーい!」
「ジーナ…僕だよ…入ってもいいかな…?」
「うっふん…殿!ウチの魅力に驚かんといてや…」
僕がドアを開けると…
「どうや…これがミニスカナースやで…
お注射しちゃうぞ!えーい!」
そこにはピンクのミニスカートのナース姿のジーナが…
僕は黙ってドアを閉めた…
「な、なんでや…殿!ナースのコスプレが好きやないんか?男はこれでイチコロやって…」
「ど、どこからその情報を聞いたんだよ?」
「おかしいなぁ…ドント・キーテに人気No.1って書いてあったのに…でもせっかく着たんやから…殿…これで婚礼の儀に…」
「ダ、ダメに決まってるだろ!」
「優也様…ご準備はお済みでしょうか?」
丁度ジーニャさんからテレパシーが…
「ちょっと私の部屋に来ていただけますか…?」
…ジーニャさんの部屋…?
そ、そうだ…この際、お姉さんからジーナにキチンとした装いで婚礼の儀に臨むよう…注意してもらった方が良いかもしれない…
意を決した僕は隣のジーニャさんの部屋に向かった…扉をノックする僕…
「どうぞ…開いてますわよ…」
「ジーニャさん…ジーナに婚礼の儀に真面目に向かうように…」
「優也様〜お熱を測りましょうね…
あら…ちょっとお熱が高いですね〜
私が看病してあ・げ・る…」
そこにはジーナと同じピンク色のナース服を着てガーダーベルトとあみタイツを履いたジーニャさんが…
僕はしばらくその場から動けなかった…
次の瞬間…
「ア、アンタ何て格好してんのよ…?
早く着替えなさいよ…!」
「うるさいなあ…姉ちゃん!助けて!」
ティナに追われてジーナもやって来た。
二人が揃った姿を見たティナは…
「あなた達…何やってんのよ!このエロガッパ!」
その後…他の王女から本当の事を聞いたジーニャは
赤面してジーナにこっぴどくお説教をした…らしい。
「ま、まだなのか…?」
マザー・ハーロットは天を仰いだ…