古代の遺産
次の朝、僕達はジュエラと連絡を取ってお義父さんに来てもらい事情を説明させて貰った…
「お義父さん…わざわざ御足労頂いてすみません…」「いやいや…構わんよ…それに元々これは魔界の問題じゃ…逆に婿殿を巻き込んでしまって申し訳ない位じゃ…」
「いえ…ティナは国王業で色々大変ですから…しかもちゃんと妻として母親としての責任を立派に果たしていて頭が下がります。僕も何かお力添え出来るなら嬉しいです…」「ダーリン…」
「婿殿…本当にありがとう!今となってはお主とティナの結婚に反対していた頃の自分を殴ってやりたい位じゃわい!」「そんな…」
「ところでどうしたものかのう…このままジュエラ王宮に連れて行って現在の国王はティナでそんな男ではないとその娘に説明してもはい、分かりましたと信じてもらえるようには思えんしのう…」「差し出がましいようですが、僕もお義父さんの意見に賛成です。その上で第三者の方にジュエラ王族が清廉潔白であると説明して頂くのが一番良いかと…」
「うーむ。では誰にそれを…」「おられるじゃないですか…お義父さんの事、ジュエラの事を一番理解してくださっておられる方が…」
「おお、マサムネじゃな!そうか!あやつなら頭も切れるし、上手く話を纏めてくれるに違いない…早速頼みに行くとしよう…」
「お義父さん、僕達も一緒に行きます…
ジュエラ王宮で話をするよりソーディアでみんなが集まって話をした方が良いかと…」
「ダーリン…ごめんね…せっかくの休みなのに…」「大丈夫だよ…みんなで知恵を出し合ってこれからどうするか考えようよ…」
「それもそうじゃな…よし、じゃあみんなでマサムネの所に行くとしよう…」
こうして僕達はジーナさんの入った壺を持ってみんなでソーディアへと向かった…
ジュエラやソーディア、ミラールの三国から成る大陸…その外海を越えたはるか遠い場所に密林に包まれた別の大陸があった…
密林の中に古代の文明の遺産のような建物かいくつか存在している…その一時代の王朝を築き上げた立派な王とその王朝を支えてきた人々を表すオブジェのような像がいくつも並んでいる…
一際大きな城のような建物の中に入ると一切の光が遮断された真っ暗な中に大きな篝火が其処彼処に焚かれていて複雑なダンジョンの造りになっている通路を奥に向かうと大きな広間から王の座する謁見の間へと辿り着く…
薄暗い玉座の上で黒髪の女性が呟いた…
「ジーナ…今、あの子は…?」