もう一つ成し遂げたい事
「殿〜恥ずかしがらんでええやん!背中流してあげるって!」
…こ、こんな美女が沢山いる中、湯船から上がれないよ…
「あ、温まりたいから湯船に浸かるよ…」
「そっか…じゃあ…ウチと一緒に入ろ!な!」
ジーナは湯船に入ってきてピッタリと密着して腕を組んできた…
ムニュッ!柔らかいものが腕に当たる…
「ちょっとぉ!ダーリンに気安く触れないでよ!」
反対側からティナが腕を引っ張って…
ボヨ〜ン!こっちは腕におっきな弾力が…
こ、ここは地獄なのか?天国か?
全員がバスタオルのまま湯船に浸かった…
「…ふう…でも良かったですわ…優也さんにケガが無くって…」
「ご、ごめんよ…ナギさん。心配させてしまって…」
「良いんですよ…うふふふふ…」
ナギさんは新緑の木漏れ日のような優しい笑顔で僕に笑いかけてくださった。
魅力的な笑顔にまたドキッとしてしまう僕…
「優也様…一つ伺いたいのですが…」
ジーニャさんは神妙な面持ちで口を開いた。
「どうされました…ジーニャさん…?」
「それです…」 「えっ?」
「あの時…何故…私をジーナと?」
…そうだ…僕は確かに彼女を《《姉のジーナ》》と認識し、そう呼んでいた…
「僕にも…分からないんです…何故なのか…?
失礼でしたね…すみません…」
「い、いえ…そんな…」
僕が謝った事でジーニャさんは驚きとそして残念そうな表情を見せた。
「それで優也くん…これからどうするの?
もう会社始まっちゃうんでしょ?」
愛ちゃんの言葉に美女達との入浴から少し現実に引き戻される僕…
「そ、そうだね…一旦人間界に戻らないとね…」
「ええっ!殿、帰ってしまうんか…?
そしたらウチも壺を持って殿と一緒に…」
「あなたはダ〜メ!」 「何でや!」
「決まってるでしょ!あなたバビロナの姫なんでしょ?これからお姉さんと国を建て直さなきゃいけない時に何言ってんのよ!」
見慣れてきたティナとジーナのキャットファイトも
さすがにティナの説得力のある言葉にジーナも弱気になってしまった様子である…
「そ、そやかて…ウチはもう一つだけ…殿と一緒に成し遂げたいことがあるんや!」
ジーナはジーニャの顔をじっと見つめてジーニャもそれに応えるように微笑む…
優也と他の三人の王女は口を揃えて
「成し遂げたい事…?」
「そうや!ウチの殿は不可能を可能にする御人や!
見事にバビロナのみんなの凍った心を溶かして侵略者からバビロナを取り返してくれた…
ウチはな、この人とやったらもう一つだけ…
バビロナに奇跡を生んでくれると信じてるんよ…」
「あ〜もう!じれったいわね…一体どういう事なのよ…」
詰め寄るプラティナにジーニャが重い口を開いた…
「バビロナに古くから伝わる…魔法のランプを
探し出してランプの精に願いを叶えてもらうのです…」