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王家の証

…僕とティナ達、それからヴァルがイミテの石像の周りに集まってきた。


「未来が見えないのは石像になるから…

なるほど…本当だったわね」


目を伏せながらアイが静かに口を開いた。



変身を解いた僕の両横には妹のジーナと姉のジーニャ…いや…《《姉の方の》》ジーナが寄り添ってくれている…


姉のジーナはみんなに向かって頭を下げた。


「皆様…申し訳ございませんでした。

バビロナ王女として何とお詫びしてよいか…」


その時、ヴァルが天に向かって人差し指を上げた…


「お詫びを言うのはアイツをなんとかしてからじゃな…」



「…分かりました。優也様…妹と三人でもう一度宜しいでしょうか?」


僕は二人のジーナに向かって黙って頷いた…


「わあ、また殿と一緒に闘えるんやね…また私達一つになろな!」




僕と二人のジーナの会話に頰を膨らませたティナが割って入る…



「ちょっと、ちょっと!ダーリンは私の…」


「乳嫁よ…いい加減、嫉妬はやめんか!優也はそんな尻の軽い男では無いじゃろうが!」


「…あなた、次にその呼び方で呼んだらヴァルプルガさんをお呼びして叱ってもらうわよ…」


「フン…あやつに会うことはもう二度と無いじゃろうて…」



「まあまあ…とにかく…コッカトリス・ゾンビを封印しなきゃ…」


僕は目を閉じて二人のジーナの手を握る…


光と闇が入り混じって僕の身体の中へと入ってくる…ターバンを巻いた精悍な王子の姿になった僕はじゅうたんの上に乗った…



「わ、私も行くわ…」ティナがじゅうたんに飛び乗ると…「私も行きます!」「私も!」

ナギさんと愛ちゃんも急いで飛び乗った。



「仕方ない…少しは手伝ってやるかのう…」


ヴヴ…ン!


ヴァルプルギスは両手を使って大きな魔法陣を描いた。そしてその魔法陣は地面に落ちて真ん中から小さな光を発していた…



優也達の乗った魔法のじゅうたんは猛スピードで飛んだ…あるじを失い、空中庭園の上空を旋回していたコッカトリス・ゾンビへと向かった。


優也は気を引く為に左腕に付けた鏡の光をコッカトリス・ゾンビの顔に反射させた…


「ギャツ!…ギャギャギャギャギャ…」


「今だ…!」


コッカトリス・ゾンビがひるんだところに優也は力を込めて両手を前に突き出した…


「グラビトン!はっ!」


ズ…ズゥゥゥウウウン…


もの凄い重力がコッカトリス・ゾンビにかかる…

懸命に羽ばたくが地面近くまで落ちて行き、ヴァルプルギスが作った魔法陣に吸い込まれそうになって、必死にもがいている…




そして優也が両手を広げて掌を上にむけると…


右手には光の玉が現れ、左手には闇の玉が現れた。




「殿…二人のエネルギーをあなたに託します…」


「優也様…あなたが一つにして思いっきり相手にぶつけてください…」



「うん…分かった…《《ジーナ》》…」




…殿…姉ちゃんの事…ジーナって…




…この魔法は王家の者の証…オメガの因子を持っていないと使えない…優也様…あなたはやはり…

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