第二ラウンド
「それが…姉ちゃん…私が知ってる昔の姉ちゃんとは全く別人のようで…殿が来られた時は出てこなかった例のジュエラ王を名乗る輩とラブラブなんです…」
僕はティナ…ナギさん…愛ちゃんと顔を見合わせて首を傾げる…「ラブラブ…イチャイチャしてるって事?あのお姉さんがそんな事しそうな雰囲気には見えないけどな…」
「ホンマやって…!殿…ちょっとそこに座って見て下さい…」
「こうかい?」僕は胡座をかいてその場に座った。ジーナはゆっくり僕の所に歩み寄ったかと思うと僕のひざの上に腰を落として僕の首に腕を回して「殿…愛してます…」そう言って僕の口唇に自分の口唇を重ねようとした…
「ち、ちょっと何やってるのよ…」ティナが僕の首からジーナの腕を引き離した…
「違うて…ウチは殿にこんな風に姉ちゃんと
ヤツがイチャイチャしてるって説明してたんや!せっかくええトコやったのに…台無しやんか!」「そうかもしれないけどあなたがダーリンとそんな事するのを私が許せるワケ無いでしょ!」キャットファイトの第二ラウンドの幕が上がろうとしていた…勿論これ以上ジーナが続けようものならナギさんと愛ちゃんも黙っていないといった様子である…
「と、とにかくバビロナの事に関しては口は出せない…でもお姉さんがどう言おうとジーナが幸せに暮らせるようにしてもらわないとね…明日、話をつけに行くよ…ジーナは壺の中に入るんだし…ウチに居てもかまわないよね…ティナ…」「もう…仕方ないわね…でも私のダーリンに手を出さないでね!」「へっへーん!」ジーナはティナに向かって舌を出した…
そんな二人のやり取りを見て僕は疲れ果てた…「ダメだ…こりゃ…」
一連の流れを見ていたミスはリルの手を取って「リル…おへやにいきましょう…」「おねえちゃん…どうしたの…」「どうやらしゅらばになりそうよ…」
「あっ!ぼくしってるよ!しゅらばって、おんなのひとがパパをとりあってけんかすることでしょ…」
「…まあ…まちがってはないわね…さあ…いくわよ…」
「やれやれ…ティナも婿殿も本当に優しい良い子達に恵まれたもんじゃのう…」
ゴルドとシルヴァは顔を見合わせて笑った…
「あなた…私、二人と遊んできますわ…」
「ああ…」その言葉にゴルドは笑って頷いた…
「なあ…ジーニャ…僕の事…愛してくれているかい…?」
「勿論よ…あなたと一緒にこの国を大きくして行くわ…」
彼の手に抱かれながらジーニャの目は悲しそうに潤んでいた…