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古代の姿を残した大陸

「海を渡れない理由…?」

不思議そうな表情の僕の方を向いてヴァルが語り始めた…「優也よ…魔法のほうきと言う物を知っておるか…?」


「う、うん…そりゃあ…僕達が知ってる魔法使いの乗り物の代名詞だよね…」「不思議では無かったか?魔法使いは存在しているのにジュエラやソーディア、ミラールには魔法の乗り物が無いのじゃ?」


僕は首を傾げて「そう言われてみれば…で、でもあんなの勝手に人間が考えだしたイメージなんじゃ…」「よく考えてみぃ!昔、魔法使いと人間は同じ世界に一緒に住んでおったと言ったじゃろ?」「あっ…」


ヴァルはニヤリと口元を拡げて僕に語りかける…「そうじゃ…魔法の箒は昔、確かにあった…しかし現代には無い…これはどういう事か分かるかの?ヒントはお主らの世界でいう絶滅危惧種じゃ!」



「…乱獲…」


「その通りじゃ!わらわ達魔法使いは元々生まれ持った魔法力で能力が決まる…しかし個人個人の能力の差はあるとはいえ元々魔法使いは自然界の因子を利用する事で能力を発揮する事が出来る…言わば自然界の全ての命から少しずつ力を拝借しておるのじゃ。ところが我が大陸の魔法使い達は昔より魔法力を向上させる努力だけを重視して強力な魔法因子を持った植物や動物の命を守るどころか奪い続けてきた…それ故に我等の弱体化した魔法力では海の向こうの他の大陸の動植物や水や大気の魔法力を破る事は出来なかったのじゃ…」


「それじゃバビロナ王朝がある大陸は…」


「そうじゃ…強大な魔法力で溢れておる…

あの時、我が国でとっくに絶滅したトンベリの木の枝をエクスと見た時、確信したわ…

これで昔は魔法の箒を作っていたのだと…

他にもわらわやダイナ、エクス、パルテも驚くほどのエネルギーがごろごろじゃ…その証拠にその娘が持っている魔法のじゅうたんは何とか海を渡れたじゃろ?我々が失った力をバビロナはまだ持っているという事じゃ…」


「なるほど…ヴァル…魔法因子の力が強大過ぎてこちらからの力が通じないから侵入する事が出来なかったんだね…それに…ジュエラ王を名乗る輩の目的もうっすらと分かってきたよ…」


「流石は婿殿じゃの…頭がキレるわい…」

感心して僕達の話を聞いていたお義父さんに

マサムネさんは神妙な表情を見せる…

「ゴルドよ…ところがそんなに悠長な事を言っておられんようじゃぞ…」


「どういう事ですか?それはもう一つの話に関係しているのですか?」

「うむ…詳しくは彼女から話を聞くがよいて…」マサムネさんの言葉を聞いてジーナの表情に視線を移すとさっきまで美味しそうにお雑煮を食べていた彼女はそこにはいなかった…


僕の目をじっと見つめて…ジーナは大粒の涙を浮かべながら僕の胸に飛び込んできた…「殿…何でもするさかいウチをここに置いてください。もう…あんなトコ…帰りとうないんです…!」


「い、一体どうしたの…?お姉さんは…?」

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