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ジーナのキモチ

「クロノ!」


優也はヴァルプルギスモードに変身して時間流れを止めた…ジーナから短剣を取り上げて優也は変身を解いた…


「あ、あらら…」ジーナは空になった右手をゴルドの胸めがけて振り下ろした。


「すまん…」ゴルドはジーナのその細い腕を左手で受け止めて右手の拳で彼女の鳩尾みぞおち辺りに軽い一発をお見舞いした…


「うっ…」ジーナは膝から崩れ落ちて気を失った…


「ふう…婿殿…助かったわい!すまんな。少々手荒じゃったが、みんなに危害を加えるといかん…誤解が解けたらこの件は改めて彼女に謝罪せんとな…」


本当は自分も辛い立場なのにみんなを…そして自分を襲ったジーナまでも気遣うお義父さんの言葉にそこにいる全員が言葉を失った。優しいナギさんは涙を浮かべて立ちすくんでしまっていた…






数時間後…ジーナが目を覚ますとそこは薄暗い狭い部屋のベッドの上だった。鉄格子と感じる湿度から地下牢のようだ…


「何処やねん…ここは…あ痛たたた…」

ジーナはお腹を押さえながら起き上がった。


「…気が付いたかね?」


ジーナのすぐ横の鉄格子の向こうにはさっきの顔ぶれが並んでいた…彼女は再び激昂して叫ぶ…「ほら見てみぃ!やっぱりジュエラは悪い国やんか!ウチみたいな可愛い娘に乱暴な真似をして牢屋に閉じ込めて…」


「君に手荒い真似をしたことは謝る…この通りだ…」お義父さんは彼女に向かって深々と頭を下げた。


「おじ様が謝る必要はありませんわ…!

ご自身の…私達の身を守る為にして下さったことじゃありませんか!」「いいのだよ…ミラール王女…私が彼女に乱暴な真似をした事には変わりない…」


「フン!お前らの茶番はもうええっちゅうねん!こんな真似をされて何を信じろっちゅうねん!」


「確かに君の言う通りだ…」僕はマサムネさんの目を見て「マサムネさん…ここの鍵を開けて頂けませんか?」「ダメよ!ダーリン…あの娘を出したら何をするか分からないわ…」「出してあげるんじゃないよ…僕が中に入るんだ…」


「…!」皆は驚きを隠せない…


「何故ダーリンがあんな所に入らなきゃならないの…お願い…やめて…」「ティナさんの言う通りです…優也さん…危険過ぎますわ…」ティナとナギさん…二人はすがるように僕の腕を掴んでいる…


僕は二人に向かってニコッと笑って、そして心配そうに僕を見ている愛ちゃん、お義父さん、マサムネさんに向かって話し始めた…


「皆さん…僕…ジーナさんの気持ちになって考えてみました…彼女は故郷を追われ、波に漂い…色々あって封印が解けて真っ先に考えた事は家族の事だと思うんです…」


僕の言葉にみんな目を伏せた…


「そんな時に故郷を襲った者が名乗ったジュエラ王や身内の者達が沢山名乗り出てきたら…」「なるほどのう…」ゴルドとマサムネは顔を見合わせた。


「そして仇を討とうとして今、牢屋に入れられています。こんな状態で僕達を信じてと言っても無理な話です…あ、だからと言ってここから彼女を出したら…また何をするか分かりません…だから彼女と一緒の場所で話をしてみようと思います」「ううむ…しかし…」


その時、突然大きな怒鳴り声が響いた…



「全く…揃いも揃ってこのタワケ者共が!」


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