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説得

「ふうむ…ではこちらの娘が壺に入ってジュエラに流れ着いたのじゃな…」


テーブルを囲んでみんなが向かい合う…未来眼で全ての事情を知っている愛ちゃんも駆けつけてくれた。


マサムネ前国王はジーナの表情をじっと見つめる…


知らない年配の男性に見つめられたからだろうか…ジーナさんはこの場に居たたまれないといった様子で「誰や…このオッチャン…人の顔をジロジロ見て…失礼やなぁ…」


「ジーナさん…こちらはソーディア王国の前国王…僕がもっとも尊敬する方々の内のお一人で僕は幾度と無く助けて頂いている凄い方なんだよ…」


僕の言葉を聞いたジーナさんはすっかり態度を変えて「なんや!そうでしたか…嫌やわ…ウチとした事が…いつもウチの殿がお世話になっております!」とテーブルに手をついて頭を下げた。


マサムネさんは目を丸くした…「と、殿?」「いえ…それはこっちの話で…あはは…」僕は笑って誤魔化すとマサムネさんは続けた…


「ジーナよ…婿殿の言葉でワシが怪しい者ではないと理解してくれたかな?」「…ウチのあの壺の封印の栓は純粋にウチの事を救おうとしてくれる心の清らかな人しか開けられんように出来てます…つまりウチはそれを開けてくれた殿を心から信じて…愛しています…その殿が尊敬する御方やもん。ウチにとっても大切な御人やと思うとります。」ジーナさんの言葉にティナは頭を抱え、ナギさんと愛ちゃんは目を丸くした…


「ちょっと…優也くん…殿?…愛してるってどういう事?説明してよ…」「そうですわ…お父様…こんな何処の馬の骨とも分からない娘に我が国の騎士をとられる訳にはいきませんわ…」


マサムネさんは一つ大きくため息をついた…

「まあ、待ちなさい。今は惚れた腫れたの話ではなくて彼女の国が誰かによって侵略された…そしてその侵略者がジュエラ王と名乗っている…それが問題なのではないのかな…?」「はい…」「そうです…」


マサムネさんのもっともな意見に興奮気味の愛ちゃんとナギさんも少し落ち着いたようだ…


マサムネさんはお義父さんに目で合図をした…お義父さんも軽く頷く…


「ジーナよ…ジュエラは我が隣国…そして国王は我が親友である。ワシが保証する…ジュエラ国王はそんな事をする男ではない…」


マサムネさんは誠意を持って彼女に説得を試みたのだが残念ながらその言葉は辛い想いをして外界を流浪した彼女の心を溶かす事が出来なかった…


ジーナの目の色が変わる…

「ジュエラ王の親友やて?ほな、ここにおる奴らはみんなグルっちゅう訳やな…?

殿…アンタもかいな?ウチに優しくしたのは何か魂胆があってのことやな?」


「違うわ!ダーリンは…」涙ながらのティナの叫びにお義父さん…ゴルド前国王が手を広げて仁王立ちでジーナの前に立ち塞がった…


「ジーナとやら、そんなにジュエラが憎いか?ジュエラ王族に他国に侵略戦争を仕掛ける…そんな不貞な馬鹿者はおらんが…もし、お前がそんなにジュエラが憎いのならワシを好きなようにするがいい…その代わり、他の者には手出し無用じゃ…このワシ、ゴルドがジュエラの国王じゃ!」


ジーナはカッと血走った目を見開く…

「きさまが…両親や姉さんのかたき!」彼女は魔法で青い宝石が柄に付いた短剣をだしてゴルドに襲いかかった…


「きゃぁぁぁぁ!お父様ぁぁぁぁぁ!」


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