~ほんの少し~(生活教室編第1話!)
Love Love Thinking第8話!
柊真の風邪もすっかり治り、普段通りの生活を送っていたみんな。
そこに、次なるイベントが…
5月12日
今日から柊真達の通う学校の2年生は生活教室という泊まりがけで自然とふれあうというイベントがあった。
「生活教室の班だが、調理実習の班と同じでいいだろう。」
担任がそういう。他の班はほぼほぼ男子だけの班、または女子だけの班だった。
柊真や美音はとてつもなく焦った。その理由は泊まる部屋は班で1つの部屋だからだ。
つまり、女子3人は男子2人と同じ部屋で寝なければいけないのである。明後日から始まる生活教室だったが、美音と柊真は柊真が風邪を引いていたとき一緒に寝てしまったことがあるとはいえ、緊張しないはずもなく、生活教室までなかなか眠れない日々が続いた。
……当日……
学校に集合した生徒は、バスに乗り込んだ。柊真は離夢のとなりに座っていた。
「おい柊真!女の子と一緒に寝れるんだぞ!テンション上がるよな~w」
「そんなこといってらんねえよ…」
「あーそっか。美音も同じ部屋だもんなw」
「うぅ…」
離夢はただ女の子と寝れることが、楽しみだったが柊真は緊張しまくっていた。
宿泊所に着き、部屋に荷物を置きに行き、いよいよ生活教室が始まった。
~生活教室スケジュール~
1日目
9:30 宿泊所到着、チェックイン
10:00 ボランティア活動
12:30 各班調理開始
14:30 フリータイム
15:30 ゴルフ大会
17:30 フリータイム
18:00 夕食
19:00 肝試し
21:00 入浴
23:00 就寝
2日目
6:30 起床
7:00 朝食
7:45 部屋片付け、施設周辺掃除
9:00 植物園散策
10:30 ビンゴ大会
12:00 昼食
13:00 感想記入、新聞作成
15:30 施設発
「なんか、高校生って感じしなくねえかw」
柊真は少し自分の学校を情けなく感じた。そして最初のプログラムボランティア活動が始まった。
ボランティア活動は大きく分けて2つ。
1つ目は、近くの老人ホームに行き掃除やお年寄りの方とのふれあい。
2つ目は、この後の炊事の準備をしつつも施設館内や周辺を掃除するものだった。
柊真たちははじめ男子と女子の2つに分かれようとした。だが
「えー!もうちょっとおもしろい決め方しよーよ!」
という、杏香の一言にじゃんけんで勝った2人と負けた3人に分かれることになった。
「美音ちゃんと2人になれ…!」
「柊真くんと2人になれないかな…」
心の中で柊真と美音はそう願った。
「いっくよー!じゃーんけーんぽんっ!」
そして二手に分かれた。掃除の班になった3人は杏香、美音、離夢の3人だった。
なんと、柊真は美音の大の親友の亜美と2人になってしまったのである。
「き、気まずい…」
心の中で柊真はそう思っていた。なぜなら、2人はまともに会話をしたことがなかったからである。
「柊真くん。ごめんね私と2人で。美音となりたかったでしょ。」
亜美のその一言に柊真は意表を突かれた。
「な、な、な、な…なんで!?」
「気づいてないわけないじゃんw美音のこと好きでしょ?柊真くん」
亜美は柊真が美音に惹かれていることに気づいていた。柊真はなんとかごまかそうとしたができなかった。そして、亜美は美音が柊真に惹かれていることにも気づいていた。
「全くこんなのの何がいいのやら。」
亜美は心の中でそうつぶやいた。こうして亜美と2人の老人ホームでのボランティアが始まった。
「今日はボランティアさせてもらいに来ました。神崎柊真です!よろしくお願いします!」
「奥寺亜美です。よろしくお願いします。」
老人ホームで介護の仕事をしている人達に挨拶し、まずは車いすの掃除を始めた。
柊真は亜美が思っていた以上に几帳面だった。柊真をおおざっぱな男だと思っていた亜美にとってはとても意外だった。30分で5つの車いすを隅々まで丁寧にした2人。
車いすはぴかぴかに輝いていた。その車いすを見た従業員の人達はすごく関心し、2人に老人の人達の部屋の掃除をお願いした。
「失礼します!ボランティアで掃除しに来ました!」
1人1人の部屋に入るたびにそう挨拶し、2人は掃除した。亜美は最後の部屋を掃除している途中で疲れてきていた。
集中力が切れかけてきたとき亜美は柊真のほうを見た。柊真は老人と楽しそうに笑顔で会話しながらも、掃除の手を抜く様子がなかった。
「私も負けてらんないや…」
気を引き締め掃除に励もうと振り向いたそのときだった。亜美の腕が老人の部屋の机に飾ってあった花瓶にあたったのである。
「あっ!」
落ちていく花瓶を見て亜美は目をつぶった。それに気づいた柊真は無我夢中で花瓶に飛び込んだ。
「あぶねえ…大丈夫か?」
亜美はおそるおそる目を開けた。柊真はぎりぎりで花瓶をキャッチしたのである。
「花瓶割れなくてよかったよ…!あっ…//」
笑顔で亜美のほうを見た柊真。だが、見えたのは亜美の顔ではなくパンツだった。柊真は顔を真っ赤にした。
亜美も顔を真っ赤にしながら柊真から花瓶をとり、思いっきり蹴飛ばした。
「なんでーーーーー?いって…」
柊真は壁にぶつかった。亜美は蹴飛ばしたあと冷静になったとき柊真のおかげで花瓶が割れなかったことに気づかされた。
「あの…!危ないことしてごめんなさい!」
「いいんだよ…いっぱい話もしてもらったし、部屋もきれいにしてもらったんだから…それに花瓶も割れなかったでしょ?」
おばあさんの暖かい一言に亜美は感動した。
ボランティア活動も終わり、2人で施設に戻った。その途中で
「か、花瓶キャッチしてくれてありがと…」
「い、いや。」
亜美は柊真にお礼を言った。少し顔を赤らめながら…そのとき、一生懸命掃除をしているところ、おばあさんと笑顔で会話しているところ柊真の姿が亜美の頭の中に浮かんだ。
「ほんの少しは美音が柊真くんに惹かれる意味がわかった…ほんの少しだけ…」
と亜美はつぶやいた。
今回も読んでくださりありがとうございます!
しばらく生活教室編が続きます!明日も投稿するのでぜひ読んでください!
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