0.物語の始まり
新しいシリーズをかきます!
書くのは『世界樹と冒険者の町』と同時進行なので、更新はゆっくりです。
0話なので、読み飛ばしても大丈夫です。重大なネタバレはありません。
商工業と風車の国、ヴォルケ王国。
ヴォルケ王国には、約1000年前に国ができたときからある、変わった風習がある。
それは……
50年に1度、15歳の少年を1人選び、勇者とするというものだ。勇者に選ばれた者は、国の東側に城を構える魔王を倒しに行くのだ。魔王を倒してきた少年は、心身ともに成長して帰ってくるという。
ところが今年は、いつもと違うようで……。
〈??? 執務室にて〉
とある日の、天気の悪い夜。
外は真っ暗で、ときどき、雷が大きな音を立てて落ちる。
広い部屋で、男とメイドが話している。男の見た目はは20歳ほどで、椅子に座って外を眺めている。
「今日は隣の国が騒がしいな…」
男はため息をつく。
「どうかされましたか?」
そばにいるメイドが心配そうな顔をする。
「いや…明日は何か特別なことがある日か?」
「ヴォルケ王国の勇者が決まるとかなんとか…。」
男はそうかと呟く。
「では、明日は街の様子を見に行こう。」
「かしこまりました。」
男は椅子から立ち上がり、部屋から出ていく。
「明日のためにも、もう寝るよ。おやすみ。」
メイドは礼をする。
「はい、おやすみなさい。」
メイドも部屋を去り、自分の部屋に戻っていく。
大雨の夜は、ゆっくりと明けていった…。
男は何者なんでしょうか?次回明らかになります。
『執務室』は現実でいえば、ドラマに出てくる社長室みたいな感じです。