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第2話 再会

 どうやって希子との仲を取り戻したらいいのかわからないまま1ヶ月が経過した。学生たちが夏休みを迎え、いつになく街は暑くてにぎやかだった。

 汗をだらだら流してふらついていた俺は、偶然にも、ショッピングを楽しむ希子を見つけた。頬をピンク色に染めて、瞳をキラキラさせて笑っている。夏の陽射しのせいで、以前にも増して輝いて見えた。

 ハート型のネックレスとイヤリングを身につけているが、俺は知らないものだ。花柄のネイルも新しい。希子の隣にいる高級腕時計をはめる男性のことも知らない。清潔なジャケットを着ているので、身なりのきちんとした年上の男性らしいことはわかる。

 どういう関係の男なのだろう。希子はその男性と目を合わせて笑いあっていた。そのまま紳士服の店に入っていく。

 ショーウィンドウの外からしばらく眺めていたら、男性の胸元にネクタイを合わせていた希子の視線が、ふと俺に気づいた。偶然とはいえ元恋人同士なので、希子は俺と男性を交互に見ておろおろしていた。

 そわそわする希子の視線をたどり、男性もこちらを振り返った。男性と目が合うと、もがき狂う感情が破裂しそうになった。だが俺が動くより先に、希子が店から出てきた。


 「なんでここにいるの?いつからいたの?」


 さっきまで笑ってた希子が、俺の目の前でまゆをひそめ、声をふるわせる。俺はまたやってしまったのか。体内にたまっていた熱がすべて凍りついた。どうして俺は彼女を幸せにすることができないのだろう。悔しくて声が出ない。





つづく


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