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第4話-9・〜蔓延の敵

今回、評価で色々頂いたご指摘に注意して書きました。これからもこんな作品ですが読んでくださいね!


パアァァンッ!と耳に響く弾けた音がした。


―しまった………!


姫は首の所に銃口を当て引き金を引いていた。


間に合わなかった………


「あの銃は…あの銃は!お前を…許さない!!!」

埃で真っ白になり服が所々破れたレイラは怒りを露にした目でそれを睨み付け、殺意を剥き出しにし、飛び掛かった。


「っ!!」

甲高い金属音がし、ダガーは刺さらず魔力によって跳ね返され空を廻り地面に刺さった。と同時にレイラも強力な魔力で身体ごと吹き飛ばされた。


魔力が足りない…!

と悟った時、黒いマントは数多の薔薇の蔓を袖口から出し、僕の首や手首、足に絡ませた。


「あああああッ!!」

魔力で体が痺れ、朿が体に食い込み血が滲み出、思わず声をあげる。蔓は何かを飲み干そうとするように気味悪くどくんどくんと動いた。


何だか体の体温が少し低くなった気がしてきた。我ながら情けない…。こうなればイチかバチか…!渾身の力を込めベストの中に備えてある銃に手をやった。


パンッ!


すかさずそいつの顔であろう場所に弾をぶち込む。一瞬、そいつはよろめき、顔を反対の袖で押さえた。僕は蔓が緩んだ隙に何とか逃れる事が出来た。がそいつが次に狙ったのは姫。


「姫!!!」

僕は自分の身などどうでも良く、すかさず姫の元へ駆け寄り、強く強く彼女を抱き締めた。


彼女を護りたい…!


蔓が僕らに襲い掛かろうとする。今のままでは僕は力が……。情けなすぎて涙が出そうだ。体は痺れてるし血はだらだらとだらしなく流れているし。でも姫だけは何としてでも護りきる。これだけは譲れない。


僕は庇うような姿勢で彼女を胸板にくっつけるように抱く。首を曲げて急所に攻撃されないようにだけしてそいつに背を向けた。

シュッと蔓が勢い良く風を斬った音が響く。まだ痺れていて力が入りきらない腕に必死に力を込める。


が…しばらく経っても何も起きない。不思議に思った途端、バシュッと音がして冷たいような温いものが飛び散って僕にかかった。


ゆっくり後ろを向く。蔓は刃物で切られたような切り口になっていてそこから赤い液体―――恐らく僕やフツキ姫の血が噴き出していた。彼女だ…。


それはきらきら光って緑色の小さな葉っぱのよう。


「…ティーティ!」「私のレイラにィっ手ェ出さないでよねェェェッ!!」


ティーティは先程のような僕らと等身大の大きさでなくていつも通りの小さな妖精の姿に変わっていた。全長も20〜25センチくらい。


手には先程と同じく長い爪が生えていてナイフの役割を担っていた。彼女が舞い翔んだ回りの蔓はいつの間にか血を噴き出していて悶え、苦しんでいた。そして黒マントも。


「レイラ!ぬぅぅーっ!」

ティーティは小さな体でダガーを抜こうとしていた。


「レイラ!魔力籠めといたよ」

「ありがとう。ティーティ」


僕はとりあえずフツキ姫を俵担ぎにして地面に刺さったダガーを急いで引き抜いた。



今だ……!



「あなたの負けですよ!黒マントのお前!!!」


レイラの俊敏さで切っ先は黒マントの顔の前まで迫る。それは一瞬、時が止まったように見えた。


「チェックメイトです」


レイラは右のダガーを顔に、左のダガーを心臓であろう場所に突き刺しひねって抜いた。

そいつは痛みで呻き、どす黒い血が漏れ出してしゃがみこんだ。


「アリシア!」

「任せて!」


アリシアは馬車を引いてきて僕らをその中へせかした。ティーティも飛び乗る。

また蔓が僕らを捕らえようと向かってきたが寸前でドアを閉めたので無残にもバンッと当たり跳ね返った。




こうして馬車は瓦礫の道を出発したのだった―。


第4話終了致しました〜!でもってタイトルもセカンドプリンセス-青薔薇物語-にしました!!藤咲はこれから夏休みです☆頑張って行きますね〜!


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