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エピローグ


 私は結局、ジャンの求愛になんの返事もしなかった。

 何の返事もしなかったのだ。 

 なのに!

 なぜ、同居という結果になっているのだろうか……。


 ここはシューロス。

 前にポツリと、シューロスみたいな可愛い町に住みたいでござるよねぇ、とか言っていたのを覚えていたらしく、私の店が既にシューロスに準備されていた。

 で、何故かジャンが下宿している。


 数は減ったといえども依然として出現するモンスターから町を守るべく、ジャンは自警団みたいな職業に就いている。

 砂岩の迷宮の魔法陣を使えば各地に一瞬で行けるから、どの町に住んでも構わないらしい。

 そして魔法陣は勇者達しか使えないという悲しいお知らせだった。

 私も使えなかった。

 くすん。


 それはともかく、貞操の危機はあるものの生活自体は順調だ。

 シューロスの美味しいお菓子屋さんとして、開店3ヶ月で既にけっこう有名になっている。

 トーコの姿で人前に出ることを嫌がるどっかのシーフがいるため、人前ではラビウサの姿だ。

 これには利点が一つあり、ラビウサの姿をしているとジャンが発情してこないのだ。 

 なのでジャンと二人っきりを余儀なくされる時もラビウサの姿でいる。 

 ……つまりは、一日中ずっと。


 

 

 ルーナとソル君は、結婚式を挙げた後にセレネピアに移住した。

 ルーナは月の民のせいで滅んだセレネピアを復興させるために、そしてソル君はそんなルーナの隣にへばりつくために。

 今では聖女アンヌの石像が再現されているらしい。

 

 ディーノさんは、各地を放浪している。

 ちょくちょく弟子を名乗る男性が出没しているらしいが、モンスター退治も率先してやってくれるため、意外に評判はいいらしい。

 勇者新聞が今ではただの新聞になって、ディーノさんの弟子の活躍を伝えてくれている。

 この前、弟子5号がズーを倒したという記事が載っていた。

 彼らはお互いに必要に応じて、パーティを組んだりソロでやったりと使い分けているらしい。

 女性にもモテ始めたようで、何よりである。




「トーコ、ラヴァティーの果実酒買ってきたぞ?」

 下宿人であるシーフが、華奢な酒瓶を握って帰ってきた。

「…………」

 私は果実酒をじっと睨みつけた。

「どうする?飲む?」

 へらへら笑うシーフ。


 先日、私は手痛い大失敗をしたのだ。

 酔って、言われるままにトーコの姿に戻って飲み続け、ついでにジャンにがっつり味見されてしまったという。

 で、でも味見止まりだった!

 本番とかはなかった!


「あ、ルーナがミバドゥのチーズくれたぞ?」

 ラビーが抱えると倒れてしまいそうなぐらい大きな円盤状のチーズを、ジャンがアイテムボックスから出した。

「おおおう!」

 今度は純粋に喜びの声が上がる。

 こんなに大きいチーズ、何に使おうかなぁ!

 いそいそと喜んでトーコに戻った。

 ラビーには丈の長いワンピースは、トーコに変身すると膝上のそれになる。

 生地をキュッと集めている紐を解けば広くなった肩幅とウエストにも対応できるという、私にしか需要のないワンピースである。


 トーコになってチーズを受け取ると、ついでのように顎を掴まれた。

 しまったっ?!

 そう思うが時は既に遅かった……。

 ……ハルト君って、こんなに色々考えてセクハラしてくるような人じゃなかったのにぃ……。


 こうやって徐々に既成事実というか、外堀を埋められていってるというか、馴らされていってるような気がするけど……気のせいだ!

 最近ルーナにまで結婚式はいつ?なんて聞かれるようになった現状が悲しい……。

 

 転生したらプリンになっていて、ヒロインのために勇者の手伝いをしていたら、勇者パーティのシーフに攻略されてました。

 そんな転生人生、私は認めないっ!

 認めないんだからねっ!




最後まで読んでくださって、ありがとうございました!


とりあえずここでいったん完結と致します。

番外編は、ジャンが主役になります。

トーコ目線では不明だったあれやこれやの種明かしをしていければなぁと。

そちらはのんびり更新していきますので、良かったらまたおつき合いくださいませ。


亜人化プリン、初投稿が今年の一月でした。

……長らくおつき合いくださって、感無量でございます。

もっとうまく書けるよう、精進致しますね。

完結までおつき合いくださって、本当にありがとうございました!

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