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オケアノス戦


 はっ?!


「ラビーちゃん!」

「センセイ大丈夫か?」


 目が覚めると、勇者達に見守られていた。

 え~と?

 何がどうしたんだっけ?

 え~と、確かお花畑の向こうでお祖母ちゃんが手を振ってて……。


「はっ?!生きてる?!」


 一気に蘇った記憶にガクブルした。

 よ、よく亜人化解けなかったもんだよ!

 気絶してる間にプリンに戻ってたら、それこそお祖母ちゃんとデートまっしぐらだったよ!


「ったり前だろセンセイ」

「あ?なにキレてるでござるよ」


 ヤのつく人みたいに感じ悪く睨まれたので逆ギレしてやった。

 レディに対しての無礼には報復が必要だと思う、今日この頃である。


「え、えぇとラビーちゃん?どこか痛い所はない?」


 ルーナに聞かれて体に意識を向ける。

 う~ん、特に何も感じないかな?


「大丈夫でござる。さすがルーナは天才でござるな!」


 右肩に大きな瓦礫がぶつかったはずだが、思い切って回してみてもなんの支障もない。

 回復魔法万歳!


「――ラビーも鍛えてみるか?」


 そこに降ってきたディーノさんの提案。

 え?

 鍛えるってディーノさんやジャンの人外レベルに?

 ラビーを?

 ムリムリ。

 デザートプリンセスに戻ったってムリムリ。


「無駄なんで結構でござるよ」


 あっさり答えると、ディーノさんがどことなく肩を落としたように見えた。

 すごいな、根っからのコーチだね!


「ディーノさん、センセイは俺が守るから大丈夫ですよ。さっきみたいなことには二度としませんから」


 ジャンがへらへら笑いながらディーノさんに言っている。

 おいちょっと、別にそんなこと頼んでないんだけど?


「……自衛ぐらいはしろよ、ラビー。あんまりキレたジャンを見たくないからね」


 そっとソル君に耳元で囁かれた。


 ん?

 キレた?

 ジャンが?

 私の件で?


 私はジャンを見上げた。

 目が合うとやつはへらっと笑った。


「……もっと信憑性のある嘘つくでござるよ」


 そう言ったらソル君に、そりゃもう深いため息をつかれた。

 なんて失礼な勇者なんだ!


 そうそう、アテ嬢がドロップした品物だが、なんと2つもあった!!

 おかしいなぁ、確かゲームでは、エーテルターボかトクガワシールドのどっちかだったんだけどなぁ?

 何故か両方ドロップしていた。

 う~む、アテ嬢のサービスだったんだろうか……?




 さて、それはともかく、いよいよオケアノス様とご対面である!

 長い時を幼い姿のままで過ごす女性のことを、専門用語でロリババアというらしい。

 その流れでいうと、オケアノス様はショタジジイだね!

 だって精霊王だもん。

 かなりご高齢のはず。


「センセイ、センセイはこの階段から絶対に動かないこと。いいな?」


 お前は私の母親かっていうぐらいしつこくエロシーフが確認してきた。


「うっさいでござる。さっきのは手違いだっただけでござるよ。ちゃんといつも通り後ろから応援してるでござるから、さっさと倒してくるでござる」


 噂の美脚を間近で見たくて身を乗り出してたらああいうことになったなんて、そんなことは決してない。

 ないんだってば。

 だってカーリーお姉様もツクヨミ様も間近で見たかったけど我慢したもん。

 頑張ったもん!


「絶対だからな!」


 しつこく念を押してくるジャンに、私は適当に手を振った。


「ラビーちゃん、本当に本当に気をつけてね?ラビーちゃんに何かあったら、私……」


 胸の前で両手を組んで、私の斜め上から上目遣いという奇跡の技を振る舞ってくるルーナに、私は完敗した。


「ごめんでござるぅ。ちゃんと気をつけるでござるよぅ」


 美少女万歳。

 いや、美女万歳。


「全く……私達が迷惑するので気をつけてそこで正座でもしてなさい」


 お前はドSか。

 ツンデレか。


「……すぐ、終わらせてくるからな」


 ぽん、と頭に大きな手。

 うへへ、ディーノさんのぽん、は癖になりますなぁ。

 よっ、イケメン侍!




『ボクの加護が欲しいって?ふふ、その傲慢な民の血を引く女を斬り捨てるなら考えてあげるんだけどな』


 水に囲まれた真っ白な貝殻でできた玉座に光が満ち、そこに現われたショタジジイ。

 おぉ~……ゲームではわりとそのままスルーしていた半裸だけど、こうして現実世界でショタジジイの半裸を目にすると……。

 なんだろう、わいせつ物を無理やり見せられてる気分になる。

 いや、そりゃ綺麗だとは思うよ?


 滑らかな白い肌に、金髪の美少年。

 目は青くて色合いがソル君と全く同じ。

 目元が僅かに垂れ気味で、それがなんともいえない色香をかもし出している。

 で、白いトーガっぽい服をしどけなく巻いた半裸。


『君一人だったなら試練なんて与えずに加護をあげたのに』


 そう言ってソル君の体を覆う淡い光。


『君だけ回復してあげる。さぁ、力をボクに見せて?』

 

 あの~、ショタジジイ様?

 メインターゲットのソル君、静かにブチ切れてるからあんまり余計なことしなくていいんじゃないかなぁ?


「――いいでしょう。力を、示してみせましょう」


 ソル君の背中から殺気がダダ洩れている。

 力を示すっていうより、コイツ殺すって思ってそうな殺気だ。

 私は静かにショタジジイ様に向かって手を合わせた。

 どうぞ安らかに……。




 ショタジジイ戦はソル君の独壇場から始まった。

 ショタジジイに対して天敵のムキムキマッチョ兄貴であるセト様召喚連発。

 ……その雷を食らうたびに『あうっ』とか『あぁんっ』とか聞こえるんだけど、みんな心を無にしてスルーしてる。

 でも若干みんなの攻撃力がいつもより上がってる気がしてならない。


 で、ついにその時は来た。

 ショタジジイ接待戦で、彼のHpが3割を切った時。


『……加減してやればこのクソガキ共がぁぁっっ』


 ショタジジイがキレた。

 そう、オケアノス様は瀕死になるとステータスが強化されてしまうのだ。

 ついでにガラも悪くなる。

 始まる猛攻に、敵の防御力アップ。

 まぁでもアテ嬢を倒した勇者達だ。

 ちょっと驚いたようだったが、何事もなく防御を強化して堅実に削っていった。


『しょうがない。認めて、あげるよ……』


 ゴゴゴゴッ

 静かにショタジジイが消えていった。

 ……なんかさ、みんなの、いかにもせいせいしましたって空気がちょっと怖い私だよ。

 ソル君舌打ちヤメテ。




読んでくださってありがとうございます!!


ラビーのロリババア知識は、トーコのお兄ちゃんからもたらされたものです。

おたくなお兄ちゃんは何でも知ってるのだ!絶対そうなのだ!!

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