第2話 深紅の炎
あれから20分程度経過していた、
この20分の間にわかった事は
まずステータスとい概念があるということ
そのステータスを確認する方法は
自分の意思でステータスを表示させることができる
つまり自分がステータスが見たいと思えば表示することができるということだ
それだけじゃなく、この世界ではどうやらVRMMOみたいな仕様だということ
いろんなrpgに必要なコンテンツが存在しており
そして、ジョブシステムもあるようだ
このシステムは転職クエストというクエストをクリアすればいろんなジョブにチェンジ出来るようだ
だが俺はまどそのクエストを受けていない
わかったのはたったそれだけで
召喚した人の手がかりはまだ何も掴めていなかった
だがそれと似た方法を再現することに成功した
そう、それの方法というのは...
まず、召喚者は必ず召喚するための儀式を行うはず
その儀式に使う魔術盤みたいなのを探せば
本来の探していた人を見つけられる
なんでこんな事を早く気づかなかったんだろう
召喚した人って一体何者なんだろうか
気になるけど不安もある、だけど確かめるために
自分の真実を知るために、俺は今すぐ行動を始める
そうだ、自分から動かないと何も始まらないんだから
「さて、まずはさっき取得したGPSみたいな機能をした魔術で本人を探ろう」
俺は念のため自分のステータスを確認してみた
これHPとMPの確認をするためだ
ちなみにパラメーターはHP350
MP 29 STR 49 VIT 34 AGI 22 INT 21 MND 11だった
レベル4とは思えないステータス値だった
この世界ではステータス値のインフレが進んでいるのか?
そしてさっき言ったGPS機能に似た魔術はレベル2で取得した
こんなに早く便利な魔法を取得できるとは想像すらしていなかった
俺は改めてこのゲームもどきの世界に感謝をする
このGPS機能に似た魔法の名前はサッチマシンという魔法で
消費MPの燃焼は8程度、対象の物に唱えると
痕跡がわかる魔法だ
(さて、早急魔法陣を探してみるか)
それから1時間が経過したころ、俺は空腹で死にそうになったため
どこかの店で食事を取ることにした
現在の所持金は250ゴールド、これだけあれば
ラーメンくらい食えるだろう
「腹減ったー早く飯を食って召喚した人探さなきゃ」
そして着いた店が、この店だ見た感じコンビニみたいなものだろう
駐車場はないけどね、それとトイレはあるのかな
多分あるだろうね、俺はコンビニでよく電子マネーを買っていたことを思い出す
まぁどうせこの店に売ってないだろし日本円だって使えんし
もし買えたとしてもこの世界で電子マネーを使うためのサービスがどこにあるんだ
あぁでも売ってるとしたら何らかのものに使えるだろう
ちょっと売ってるかどうか見てこようかな
売ってなかった
だと思ったよ、まぁしょうがないから必要な食品だけ買って帰ろう(帰るってどこへだよ)
うーんとラーメンが240ゴールドか、なかなか安いじゃないか
俺が良く行ってるとあるラーメン屋だと単品で320円でセットだと760円だから
これは破格じゃないのか?
まぁいいや、とにかくレジへ行こう
購入は普通にできた
さぁお待ちかねの食事タイム(朝食じゃないよ昼食...)
朝飯食い忘れてた、今頃血糖値がバンバン上がってるだろうか
怖いよそんな事は、まぁ大袈裟な表現だけどね
さていただきまぁす
まずは割り箸を割り、麺へ向かう
感動的に旨かった
この麺はすごいモチモチで上手いし
さらに汁もコクがあって旨かった
俺はこの旨いラーメンを味わって感謝しながら食い終わった
完食したので本来の目的に移ろうと思う
まずは魔法陣がどこにあるか大体の察しがついた
俺の場所から約0.5kmほど離れたところにある
時計塔が怪しいと思うあそこに魔方陣発動を象徴させる予感がする
だから俺はとりあえずそこへ向かってそしてもし
魔方陣がない場合は、多分何者かに召喚されたのではなく
誰かがやったのではなく、これは恐らく自分の意思でこの世界に巻き込まれたか
或いは俺は本当はこの町に住んでいて、何らかの原因で
記憶喪失になったのか、もしそうだったら俺のまわりに知り合いがいて
声かけられるかもしれない、そんないくつもの考えが俺の頭で回転する
とにかく時計塔へ行ってから後の事は考えることにしよう
俺はそう思いながら40分程度で時計塔へ着く
(やはりか...)
そう、目の前には俺をどこかへ召喚するために仕掛け派手な魔方陣があった
それも時計塔の目の前に、大きく書かれていた
そしてもう一人、目の前にいる人がいた、そうこの人が俺を召喚した人だ
なぜそれが断言できるかと言うと
それはこんなに派手な魔方陣を見たらあからさまに怪しいからだ
「突然で申し訳ないが、何故俺を召喚した」
いきなりの質問を召喚者に問いかける
召喚した人は白いローブを着ていて
銀色の瞳をもち、そして銀色で長い髪を靡かせている
分かった、この人は回復専門の小さな少女だということが
「貴方は何故だと思います?」
「俺がこの世界で必要とされているからか?」
この理由以外で何が思い付くってんだよ
「はい、正解です」
「やはりな...君が俺を召喚するって言う事はよほど俺をあてにしているんだな」
「ところでなんで俺なんだ?」
「え?」
「俺以外にももっと役立つ人がいるだろ?その、俺はただの凡人にすぎないしさ」
「それは、教えられません」
どういうことだ?この子何考えているんだ?
まさか、俺に特殊な能力があるとでもいうのか?
そんな事がありえていいのか?
ううん、違う、ありえているから今こんな意味不明な現実が襲いかかっているんだ
「教えられないんだったら帰してよ、もとの世界に」
「それはまだだめです」
なんだよそれはっきりしないな
「貴方がこの世界に必要だからここにいてほしいんです」
必要か、こんな俺が必要なのか
俺はただの凡人で運動も勉強も平均程度
そんな俺がどうして利用されるんだ?
こんな人間どれだけいると思っているんだ
俺なんかよりも才能に恵まれてる人だってたくさんいるはずなのに
どうして俺なんかが...
「何故、俺なんだよ」
感情が抑えられない
自分の悩みが張り裂けそうなほどに
自分のモヤモヤが襲いかかってくる
そして...
「なんで俺なんだよぉぉぉぉ!!!!!!!!」
瞬間俺の周りに光が襲ってきて
拡散した、そして俺の腕に炎が宿った
そう、深紅の炎が
「!?」
「なんだ!?この炎の灯火の力は!」
「...それが貴方の力ですよ」
力?この俺に力がある?
この熱く燃える心が俺の力?
なるほど、そういうことか
つまりこの力いるんだな
「もしかしてこの力が必要なのか」
彼女は喋らなかったが、頷いて答えた
「私もなんかいきなり貴方の事を考えないで呼んでしまって本当にすみません」
「だけど、私どうしても必要なんです、貴方の力が」
「...俺の力が?」
「はい、貴方の力でこの世界の秩序と平和を取り戻して欲しいのです」
俺、誰にも頼られない役に立たない人間だと思っていた
いつだって自分はなにもできない非力な人間だと思ってた
だけど、今この子が俺を必要している
だったら、俺はその期待を裏切ることなんてできない
ううん、絶対にできないんだと思う、どんな事があっても
これは世界の為でもあるけど、俺はこの子の望みを叶えたい
多分この子は非力な俺の前に現れた救世主なんだと俺は今そう感じた
そうだ、今の俺は悲しいんじゃない、幸せなんだ
今この瞬間を抱き締めていたい、だから...
「わかった、頑張って君が望む人間になってみせるよ」
「本当ですか!?ありがとうございます!本当にありがとうございます!!」
この子は凄い喜んで今にも跳び跳ねそうだった
そんな姿を見ていると、俺の心の中の
深紅の炎が宿されているようなそんな気がした
現実世界に戻るために、この異世界を救うために
自分が強くなれるようになるために、そして何よりもこの子のために
俺は今、ここにいる
続く