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出会い

やっと書くことが出来ました!こんなに更新が遅いなんて…

ひどい雨の降る日。私は親友である春ちゃんと別れてひとりで人通りのない道を歩いていた。この辺りは元々人通りが少なく、今日は雨が降っているということもあり歩いている人は一人も歩いていなかった。


もうすでに十時を過ぎていてあたりは真っ暗。今日は体育祭の打ち上げがカラオケ店でありいつもよりちょっとはしゃぎすぎてしまったのだ。私以外の子たちは皆家族が迎えに来ていてそれぞれ帰って行った。だけど私には生まれた時から親というものがなく、ずっと児童保護施設で育ってきたので私を迎えに来てくれる人はおらず十時を過ぎて真っ暗な道を一人で歩いていた。


私の両親は私を産んですぐに死んでしまった。なんで死んだかは児童保護施設の人に聞いても私を施設にあずけた母方の祖母もごまかすだけで教えてくれなかった。教えることができないってことは事故じゃなかったということだろう。両親は私を産んですぐ殺されたようだ。もうずっと前の話だから気にしちゃいないし顔も名前も知らない親だからなんとも思いわしない。


雨がどんどんひどくなってきて本格的にやばいなーと思い始めていたとき、公園の草むらの影から白い人の腕が見えた。


……………………ん?


目をこすってもう一度草むらの影を覗き込むと真っ白な顔をした人が倒れていた。




うわぁ





幽霊?…いや、よく見たら足ある…え、てことは人!?え、え、死んでる?!


「あの…生きてます?………もしもーし…」


「…っ」


…あ、生きてる…けど…


「大丈夫ですか?!あー…えっと、救急車…!」


こんなこと初めてだから…いやまぁほとんどの人が初めてだろうと思うけど。動揺してしまい手が震えてしまう。震える手でスマホを操作するけど咄嗟のことでなかなか消防への番号が思い浮かばない。えーと…えっと…110は警察だし…えっと…っあ、119!!


ぷるるるる…ぷるる…


『はい。こちら…「あ、すいません、あの、えと、人が倒れててそれで…」落ち着いてください。倒れてるかたの今の状況を教えてください。』


「えと…顔が真っ白で呼吸も浅いです。結構長く雨に打たれてるみたいで…」


『その方は男性ですか?それとも女性ですか?』


「だ、男性です」


『じゃあ次はー…』


さすが毎日対応をしてるお姉さんはテンパる私にどうすればいいか一から十まで教えてくれた。倒れてるのは男の人で私と同い年くらいの人で脈はすごく薄くてとるのが大変だった。男の人はもう今にでも死んでしまいそうで、少し怖くなって自分の持っていたジャージをかけて手を握ってお姉さんの返事を待った


『申し訳ございません、ひどい雨により救急車がそちらにつくのが1時間後になります。それまでどこか安全なところに…』


「え…1時間ですか…?あの、この人もう冷たくなりそうなんですけど…てか冷たいんですけど…!結構雨に打たれてるみたいだし…それにこの近く確か病院ありますよね!?もっと早くこれるんじゃ…」


『消防署からそちらに向かうのですが雨が…』


1時間…1時間も待ってたらこの人、死んじゃうんじゃないの?そう思ったらなんだか背筋が凍った。真っ暗な場所で雨がひどく振っていてここにはこの人と私しかいない。…なんだか、この人の事私が助けなくちゃいけないんじゃないかって思ってきた………よし。


「すいません、やっぱり救急車大丈夫です。あの、私担いでいくんで」


『えっ?!それは「と、とにかく、大丈夫ですので!」ちょ…』


震える手で通話終了のボタンを押し、スマホの電源を落とした。とりあえず、ほっと息を吐いて男の人に向き直る。ここから近くの総合病院まで歩いて七分。この人を担いでいけば倍はかかるだろう。でも一時間ここで救急車を待つよりましだ。早く行かないと


「よい…しょっ」


細い腕を肩にかけて横腹を支えて立ち上がる。倒れてしまわないように体重がすべて私にかかるように…

う…やっぱり重たい…でも担いでいけないくらい重いわけじゃない。これなら15分もすれば着きそうだ。問題はこの人が雨に濡れてしまうということかな…気休めになるかもしれないけど自分のジャージをもう一回この人の頭からかぶせて歩き出した。


もう遅いからかこんなにひどい雨が降っているからか大通りに出ても車も一台も走っていなかった。あたりのお店はもう真っ暗で誰もいない。なんだかこの世界にいるのが私とこの人だけみたいな気がしてきた…


「っ…ぅ」


「!!大丈夫ですか?!もうすぐ病院につきますよ!頑張ってくださいね!」


微かに意識を取り戻した男の人に声をかけながら病院に向かって歩く。あたりはどしゃぶりで雨の音が酷いから声が届いていたかは分からないけど、何もしないわけにはいかない。


傘なんてあってもないようなものだったが実際なくなるともっとぐしょぐしょに濡れてしまった。うぅ…

服が張り付いて気持ち悪い…でもこの人はもっと辛いよね。ここには私しかいないんだからこの人の事私が助けないと…!


「…っ…っ見えてきた…!病院、見えましたよ!もうすぐです!!」


肩からずり落ちてしまわないように抱えなおしてから足を進める。心なしか速度が速まった気がする。


細いとはいえ自分より背の高い男の人を運ぶのは骨が折れるな…足痛くなってきた


「…ついた…」


総合病院は24時間あいているのでまだ明るかった。ドアが自動ドアではないため開けるのに時間がかかる。

くっそ…!ここまできてやっと着いたと思ったのにドアが開かないなんて…!なんで自動ドアじゃないのよ!しかも引くタイプのドアだし!ドアノブ雨で滑るんですけど!


何とかドアを開け、倒れこむようにして病院の中に入った。


「…っすみませ…!」


「どうされました!?」


今にも死にそうな男の人を抱えた女子高生がびしょ濡れで入ってきたので看護士さんたちはびっくりしたようだ。まぁそりゃそうか


でもよかった…これで私の役目は…おわ、…り………ぐぅ(寝)


















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