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Monster bloods life [吸血鬼少女の楽しい?私生活]  作者: 鳥兜、花言葉は宣戦布告☆
始まりは突然に!
8/22

第四幕 もう歌えない 音楽家(シンガー)のレクイエム

さて、前回までのハイルの私生活は?


ハイル達がのんびりしていたある日の午後、依頼の電話がかかってくる。

それはある政治家の護衛依頼だった!

次々襲いかかってくる悪魔達をなぎ倒し、見事依頼を完遂するハイル達だった!


だが、悪魔は個体だけではない。

悪魔は人を侵食する、悪魔は実はもう貴方の中にいるかもしれませんよ・・・



それでは皆様!今回は悪魔と一緒に踊りましょう!!


では御一緒に!



アインス、ツヴァイ、ドライ!!

今日の昼、俺はある依頼に頭を悩ませていた。

依頼主は税務署、依頼内容はは名無しのシンガーソングライター利根沢魔海松(とねざわまみる)と言う者の監視だ。

最近利根沢は急激に売れ出し、名無しの称号も卒業前だ。

又、売れ出す前にあった数十万の借金を全て帳消しにしている。

前者の売れ出し始めたはともかく、後者は脱税の可能性があるため、マルサと協力して調べて欲しいらしい。

報酬もかなりの物で、且つ税務署との釘も打てる、出来れば受けたい依頼だった。

しかし、困った点が二つある。

一つ、税務署が何故俺便利屋に依頼を出す必要があるのか、税務署が本腰入れれば俺達の助けなんて要らないはずだからだ。

だが、現に依頼を出している、何故だ?

それが分からないかぎり受けれない。

もう一つはハイルが絶対に受けそうにない仕事だからだ。

これが一番の頭を悩ませる原因だった。

「あのハイルがこんなつまらない依頼を受ける訳ないよな~」

俺はしばらくの間、机に突っ伏したまま、解決策を考えるのだった。

「どうしました?城助様」

俺が考えていた時、ケルベロスが声をかけてきた。

「いやな、この依頼なんだけど・・・」

「ん、どれどれ・・・ああ、お嬢様ならそれを受けなさられましたよ」

・・・・・はい?今こいつ何って言った!

ハイルがこの依頼を受けた!?

明日は世界の終わりがくんのか・・・

「何をお考えなのかはお聞きしませんけど、急いだほうが宜しいのでは?私はお嬢様に貴方様を呼んでこいと言われた次第でして」

は!そうだった!!俺はハイルが依頼を受けたことは一旦置いといて、玄関に向かって走るのだった。






人間界 東京 名称不明のライブハウス


俺達は今張り込みをしている。

ターゲットは勿論、利根沢だ。

税務署に俺達は行った後、俺達はこのライブハウスでライブを行っている利根沢の後をつけろと言われた。

何でも、奴がもしも脱税をしているのなら銀行に行くかららしい。

しかし、張り込みというのは退屈だ、何故ハイルは俺ですら退屈と感じるこの依頼を受けたのだろう。

そう考えていたらふと聞いてみたくなった。

「なぁハイル、お前なんでこんな依頼うけたんだ?いつもなら絶対に蹴るだろ、この手の依頼」

「いや、ママならこの依頼は受けたかな、と思って」

ママ?俺はそう口に出した。

「そう言えば、ハイルの母親は吸血鬼だったな、どんなとこに住んでるんだ?」

「ママは影世界ダラオロムの【正重力圏】の血海(けっかい)に住んでいるの、影世界ダラオロムにはこっちの上下左右反対の【反重力圏】とこっちと重力と方向が同じ【正重力圏】があるんだよ、まぁ、影世界ダラオロムの大半は【反重力圏】だけど、【正重力圏】は【反重力圏】に比べて魔界っぽいよ、太陽の変わりに真っ赤な月が出てて、毎日真っ暗な夜で、血海(けっかい)は文字通り血の海だし、オマケにママが住んでる城はまんま魔王が住んで居そうな見た目だし」

そう、俺がハイルの母親の暮らしている場所の話を聞いていると、利根沢が出てきた。

ちょっとロン毛で、金髪で、服はド派手な(ハイルは今はいつもの黒いドレス)紫のコートに金色の線が入ったものだった。

「ん、お!ハイル!」

「分かってるって!」

俺達はバレない様に付いていって、その結果、人気がない倉庫にある金庫の鍵をあけ、大量の札束を金庫に閉まっている利根沢をビデオカメラに納めたのだった。






次の日


ピンポーン

そんな軽快な音をチャイムはならす。

「はーい」

そして、家の主が姿を現す。

これから不幸が起こるというのに。

「国税査察部の者です今から査察調査を行います、机の物には一切手を触れないでください」

「へぃ!?なん・・・ 」

「はいはい、ちょっと失礼しますよ」

査察官達は強制調査を始めた!

始めてたった数分で隠し金庫の鍵などがごろごろ出てきた。

これだけ見つかれば言い逃れ出来ない。

「少し、ご同行御願い致します」

男が利根沢を掴もうとした時!

「おい小僧!今こそ俺に身体をよこせ!そいつらを追っ払ってやんからよー!」

何処からともなく声がし、利根沢はいつの間にかその手にギターを持っていた。

「いい子だ!GAHAHAHA!」

そう、ギターが何故か叫び、二人を除く周囲にいた査察官10人を吹き飛ばした!

「グハ!?くっ、何でも屋!後は任せた!!」

そう言って彼等は逃げて行った。

「変装する必要あったか?これ」

「ふいんきって奴だよ、城助!」

そして二人は正体を明かした!

彼等の正体はハイルと城助だった!

実は城助達が受けたこの依頼はただの脱税者ではなく、悪魔である可能性があるため、ハイル達が呼ばれたのだ。

「城助は下がってて、多分あれは中級悪魔だよ」

ハイルは城助に伝える、それを聞き城助は下がる。

「おめぇ、俺と1人で殺るきか!上等!ぶっ殺す!!」

ギターが叫び、その瞬間、利根沢が黒い炎に呑まれた!

炎がおさまるとソコに居たのは悪魔としか言い様のない黒い翼と角を生やした利根沢と、鎌の様になったギター?があった!

「付き物悪魔!?くそ!いや、今はどうでもいい、見た目から言ってナイトゲームズか!」

ハイルはそう言うと、すぐさま雷龍を胸元から取りだし、斬撃を繰り出した!

「うんなもん当たるかダボが!」

悪魔はハイルの斬撃を華麗に交わし、そのがら空きの背中を切り裂こうと鎌を振るう!

「くっ!」

ハイルはすぐさま振り向き、その攻撃をいなす!

悪魔はその事を気にも止めず、鎌を回し、鎌鼬での攻撃をしてきた!

鎌鼬はまるで暴風のように部屋にある物を切り裂きながらハイルの肌を切り裂いていく!

ハイルの白い肌はあっという間に真っ赤に染まった。

「ぐっ、傷は浅い、この程度!」

「おい、アマ!そんなもんかテメェはよ!」

「嘗めるな!」

また、ハイルは斬撃を繰り出す。

悪魔は交わす、鎌鼬!

これが繰り返されていた。

しかし、数十合目に戦況が大きく変わった!

ハイルが斬撃を繰り出し、悪魔がそれをまた交わした時だった!

「何度やっても無駄だって・・・」

しかし、悪魔は失敗する!何故ならば、今度の斬撃は自分のいた場所で起こらず

今自分がむかっているハイルの背後で発生していた!

当然悪魔はそんな超反応回避などできず、自ら斬撃の渦に突っ込んだ!

「うぎゃぁぁぁあ!?」

「同じパターンを何度も見せれば、馬鹿でも返し業の1つ位思い付くよ、調子に乗りすぎたね」

ハイルの業の1つ、鉄鬼。

簡単に言うなら刀の間合いを無視して、全方位360度、距離関係なく斬撃を放てる末恐ろしい居合い切りだ!

そのぶん、消費魔力はヤバいが・・・

「糞が!嘗めんな!」

そういって、悪魔は鎌をギターの姿に戻し、弦を思いっきり弾いたら!

爆音!!それに相応しく、窓が割れ、空間が歪んだ!

「ぐあ!あいつ、音で空間を!?」

気がつけば奴はハイルの真正面にいた!

「マジで殺す!」

そう言うとギターをまた鎌にし、今度は目にも止まらぬ斬撃を繰り出した!

ハイルはそれをひたすらに相殺し、そのたびにでる火花はその戦いを彩っていた!

脳天、心臓、肝臓、首筋、溝、鎌は的確に急所を狙い、またハイルも的確にそれを防いでいた!

しかし、ハイルの奮闘はむなしく、斬撃の1つが、ハイルの刀を上空に弾きとばした。

悪魔はその刀を奪い、ハイルの胸元に突き立てた!

鮮血があたりを赤に染め上げてゆく、ハイルは床に張り付けにされたように倒れた。

「けっ!手こずらせやがって!」

城助は恐怖に支配された、あれだけ強いハイルが殺された、それだけで彼の心は折れていた。

「そんな・・・」

「遺言はそれだけか?坊主、んじゃ死ね!」

悪魔の鎌が城助の頭をかち割ろうとした時!

「おいおい、勝手に殺さないでくれる?」

あり得ない光景が広がっていた。

心臓に刀が刺さったまま、ハイルは立ち上がっていたのだ!

「はぁ!?うんなアホな!確かに心臓を!」

当然、殺った悪魔も、城助も混乱している。

今、確かに心臓を貫かれた奴がたっているのだ!胸元からはいまだにドクドクと赤い血液が絶えず流れ出ている。

「生憎、このくらいじゃ、私は殺せないよ」

そう言うと、ハイルは胸元に刺さったままの刀を思いっきり引き抜いた!

大量の血が其処らじゅうに飛び散ったがそれだけで、ハイル自身はピンピンしていた。

「あ~もう!この服気にいってたのに!血だらけじゃない!」

唖然、城助と悪魔はそんな感じたった。

「はっ!お、お前はいったい何者だ!?いくら悪魔でも、心臓を貫かれたらただじゃ!・・・」

「生憎、あんたに解説してらんないの!今私は凄くおこなの!今すぐ貴方をきりたいの!」

ハイルはそう言うと、刀を鞘に収め、そして気がつけば悪魔の真後ろにいた。

「DIE(死ね)!!雷鳴線らいめいせん

刹那、ハイルの後方に無数の斬撃が走った!

その様は、まるでハイル自身が弾丸になった様だった。

斬撃は悪魔を嘲笑う様に止まること無く、傷を付けていく!

鮮血が又、世界を染め始めた!

「うぎゃぁぁぁあ!?」

悪魔もこれには耐える事できず、膝をついた。

「さて、トドメといきますか」

ハイルが悪魔に近付く、その左手には抜き身の刀。

終わった、誰しもが思った。

だが

「ま、待て!俺を殺すとこの利根沢って奴も死ぬぞ!それでもいいのか!!」

悪魔がそう言った!

城助が驚愕する!

「それはそうだよ、城助。付き物悪魔は人間の身体を奪うことで形をなす、付き物悪魔を宿主を殺さないで救うには祓魔師(エクソシスト)みたいな悪魔を祓う力を持っていなくちゃダメなんだ、でも最近は悪魔を人はいないと信じちゃった。そのせいで祓魔師(エクソシストはいなくなり、付き物悪魔を宿主を殺さないで救う方々は消えた」

ハイルはその顔に悲しみを抱いていた。

そして、悪魔の前に立ち

「今、祓魔師(エクソシストでない私達ができることは・・・宿主ごと悪魔を・・・」

ハイルは刀を振り上げた、躊躇いもなく。

「!ハイルよせ!」

「正気かテメェ!人を殺すんだぞ!それでもいいのか!!」

ハイルは自身の頭上で一旦止め、そして・・

「もう慣れました・・・ごめんなさい、次に生まれてくる時には、悪魔なんかに身体を奪われないで、自分の道を進んでいって」

刀を降り下ろした。

男と悪魔は灰になり、消えた。

男の最後に聞こえた「ありがとう」は幻聴だろうか・・・







あれから俺は必死に祓魔師(エクソシストの勉強をした!

もうこれ以上、付き物悪魔に自由にさせない為に、ハイルにあんな悲しい思いを二度とさせない為に!

あの男、利根沢を切った時のハイル、俺に隠そうとしてはいたけど、泣いていた。

救えない自分の無力感に泣いていたのだろう、また救えなかったと。

だから、俺が救える様になる!俺が彼等とハイルを救う祓魔師(エクソシストになる!

必ず!!

悪魔デビルズ紹介!!


ナイトゲームズ


呪いのヴァイオリンこと呪いのギター。

ギターの姿をして人に願いを無理やり叶え、その身体を奪う!!

こいつに取り付かれたら最後、祓魔師(エクソシストじゃねぇと助けてやれねぇ。

ま、宿主ごと殺せば万事解決だか、救えるはずの奴を殺すことは、堪えるぜ・・・

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