第十一幕 駆け抜ける伝説
さて、今回のハイルの私生活は?
べリアルに串刺しにされ瀕死と化したハイル。
もはやこれまで、そう感じた時!
伝説は舞い降りた!!
母であるグラムが現れ、べリアルを見事出し抜き、逃走を成功させた。
しかしべリアルは・・・
さて、今回からは私も派手にいきますよ!!
Aye you ready?
1・2・3!Let's rock!!
勇町上空、べリアルはそこにいた。
そしてその白骨化した右手に持つ剣は蒼く、爛々と燃えている。
「遂にこの時が来た。影世界に住まう全ての我が眷属たちよ!!今!時は満ちた!今こそ全ての愚かな人間どもを喰らい尽くすのだ!開け、影を繋ぐ門『ヨルムガント』!!」
べリアルが叫ぶ。
すると何もなかった空中に一つの門が現れた!
その門、蛇を縁取った様な形をしており色は黒、扉等はなくその門の中は暗黒が広がっていた。
「さあ!我が眷属よ!ここへ!!」
べリアルの叫びと共に、暗黒の中から・・・黒き者たちが洪水のように溢れでたのであった。
ここは勇町の地下道。
グラムはここに転移し、二人をここに連れて来た。
「ハイル、それとあんた大丈夫?」
「私は、で!ママ!!なんで人間界に居るの!?」
ハイルの疑問は最もだろう。
本来影世界にいるはずの母がここ人間界にいるのは色々とおかしい。
だがグラムは少し口元を吊り上げ、微笑み、こう言った。
「いやぁ~ハイルが心配でね、心配しすぎたせいでシロウに人間界に放りだされちゃったのよ。まあおかげて、あの大馬鹿に会えたけどね♪」
「ママ、あいつと知り合いなの?」
ハイルが問う。
疑問は至極簡単、なぜグラムがあのべリアルと知り合いなのか。
「知り合いも何も、1000年前に私が影世界で叩きのめしてやった当時の魔帝だよ?」
グラムの口からでたとんでもない真実。
この一声はハイル、城助ともに驚くこととなった。
「「ま、魔帝だとぉ!?」」
魔帝・・・魔界である影世界で最強であることをしめす称号。
それを打ち倒した、つまり・・・
「え!ママって現魔帝じゃなかったはず・・・」
「そうよ、私は現魔帝じゃなくって、現魔王よ?まあ、当時は魔帝だったんだけどね♪」
「と言うと?」
「現魔帝は『フェニックス』って奴よ、まあ今のあなた達には関係ないか」
グラムはゆっくりと城助とハイルを見た・・・
(今のハイルは傷が酷い、出来れば戦って欲しくない、それにこの城助って奴は腰抜かしているし・・・よし!!)
そう考えを固め、グラムは2人に告げた。
「2人共、バトンチェンジ!暫くの間休んでいなさい♪変わりに私があいつを弱らしてくるわ」
「へ?ちょっとママ!?」
「大丈夫♪止めはあなた達に譲るから~」
「いやそう言う意味じゃ!ママ!!」
その叫びも虚しく、グラムは2人を置いて、疾風となり駆け抜けるのであった。
「出来れば、もう伝説のままでいたかったんだけどね・・・・・さてと、1000年のブランク・・どこまで殺れるかな!」
今、最強の吸血鬼が!・・・伝説が!・・・駆け抜ける!!




