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Monster bloods life [吸血鬼少女の楽しい?私生活]  作者: 鳥兜、花言葉は宣戦布告☆
悪魔の住まう町
18/22

第十幕 千年ぶりの接触

さて、前回までのハイルの私生活は?


ついに目覚めた暴君『ベリアル』。

その圧倒的力でハイルを追い詰める。

ハイルをまるで赤子の手を捻るかの如くあっという間に追い詰めて行く。

そしてついにその凶剣が彼女を貫いた!


さて今回ハイルはどうなってしまうのでしょうか!

さっさと読み進めて行きましょう!

では皆さんご一緒に


アインス、ツヴァイ、ドライ!!


ハイルの胸から血が溢れだす。

彼女の胸には今、べリアルの大剣が突き刺さっている。

「かは・・・やるね」

ハイルは呟く、城助は呆然としていた。

この戦いには乱入できない。

逆にハイルの足を引っ張るだけだと、だからあえて攻撃しなかった、いや出来なかった。

暴君ベリアルの雄叫びは、まるで地獄の底から聞こえてくるような、恐怖心を感じさせる物だった。

その雄叫びを聞いた途端、城助の心は恐怖に支配されてしまった。

今の城助は指一本動かすことが出来なかった。

「裏切り者の娘にしては弱すぎるな・・・貴様、本当にハイル=プフェルトナか?」

ベリアルが問う、ハイルに対して。

その疑問はどういう意味かは解らない。

だが、ハイルは正直に答えた。

「裏切り者の意味は解らないけど・・・私は・・・私はハイル=プフェルトナだ!」

ハイルは高らかに叫ぶ。

その叫びと共に、一発の銃弾がハイルの顔を掠め、ベリアルの眉間をぶち抜いた。

「!?」

ハイル、城助、ベリアル共に驚く。

彼女らは銃弾が飛んできた方向を見た。

そこには青いコートを着た銀髪の女がいた。

「か、母さん?」

「ハイル、久しぶり♪」








グラム=プフェルトナ。

『血濡れの王女』の異名を持ち、その美しい銀髪を血で紅に染める事からその名が付いた。

一時、当時の魔帝に戦いを挑み、叩きのめしたと言う噂まである。

瞳は海の様な深い蒼、銀髪をポニーテイルにしており、着ているコートもまた青。

背中にはベリアルほどではないが、大剣を背負っており、その華奢な体からはとても出せそうにない威圧を放っている。

彼女はその口から、また言葉を放った。

「ベリアル・・・あんたまだ生きていたの?とっくにくたばったと思っていたんだけど・・・」

「ふん、裏切り者に心配されるほど、私は堕ちておらん・・・」

お互いそう言い合うと、ほぼ音速の速さでグラムは蹴りを、ベリアルは拳を繰り出した。

空気に二つの轟音が響き渡る。

グラム、ベリアル・・・両者ともに拳、脚を引き下げ、またともにニヤリと不敵に笑った。

「へぇ、マジで変わってないね・・・あん時からさ」

「貴様も、ほとんど変わっておらぬがな・・・」

この話しかたからして、この二人はどうやら知り合いのようだ。

互いの実力を確かめ会うように、二人はにらみ会う。

2、3秒の沈黙・・・瞬間爆発が起こる。

爆発の原因はグラムとベリアル、彼等が繰り出した大剣による斬撃だ。

地面を伝うベリアルの斬撃、宙をまるで蜂のようにうねるグラムの斬撃。

互いの斬撃が相殺しあった結果、まるで大地を割るかの如くの爆発が発生したのだ。

爆発による煙が晴れる・・・と同時にベリアル、グラム共にお互いに突っ込む。

果たして、またしても爆発・・しかし今度の爆発はとても小規模だった。

何故か?それはベリアル、グラム互いの剣が衝撃を一部吸収したためだった。

そのためか、二人の足場は互いの足で抉れてる。

「へえ、千年前に比べて起用になったもんね」

「あの貴様のこれをくらい死にかけたからな・・私は同じ技は二度と受けん!!」

ベリアルが言い放つ、途端に彼は自身の持つ大剣を振り上げ、叩き潰すような体勢をとった。

戦いの素人でもこの格好は『今から振り下ろしますよ』と解る構えだ。

つまり、次なにがくるかバレバレなのである。

(ベリアル・・・お前に限ってこんな馬鹿みたいなこと何も考えないでするわけがない、何をする気?)

グラムはその行為がただの隙だらけの行動とは思わず、警戒しつつ急接近した。

グラムかベリアルへ攻撃するまであと2、3メートル・・・そこまで来たとき、なんとベリアルはその振り上げていた大剣を振り下ろすのでわなく、ぶん投げたのだ!

それもかなり無理な体勢でだ。

もし人間なら確実に肩か腰を折る、そんな無茶苦茶な体勢で、約3トン近くありそうな大剣を高速でぶん投げたのだ!

一様警戒していたグラムもこれは予想外、大きく回避運動をとる。

空中では身動きは取れない、だが直撃だけは避けないと・・・グラム苦肉の策だった。

結果、ベリアルの強烈な正拳がグラムの腹を抉る!・・・・・抉った、そう確かに抉ったのだ彼は、だか彼は違和感を感じた。

まず違和感その一、抉ったから血が出るはず・・だが彼女から何故か血が出ない。

その二、肉をぶち抜いた感覚がないのだ。

かわりに、例えるなら、豆腐を押し潰したような、奇妙な感覚が伝わった。

これはおかしい、そう思ったベリアルは

グラムの顔を見た。

しかし、なんと言うことか、そのグラムの顔がない!!

そこで彼は気づく、これはダミーだと。

本物は・・・さっきまで壁に埋もれていたハイルと腰を抜かした城助を小脇に抱えていた。

「残念でした、また今度!」

グラムはまるで小馬鹿にするようにニタニタ笑い、そう言うと二回足踏みをした、途端に彼女らの姿が消えた。

「転移魔法!?クソ!クソ!グラム=プフェルトナァ貴様ぁぁぁぁぁぁ!!!」

怒れる暴君は行き場のない怒りを叫びに変えるのだった。

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