第八幕 色魔との戦い 後編
前回のあらすじは今回はなし!!
白い雷を纏った城助の姿は先に挙げたとおり、人間のそれではなかった。
その手に握られたライフルもまるで雷をかたどった物になっており、最早銃とは言えなかった。
白の雷を纏った悪魔はその飢える獣の照準をアマデウスの眉間に定めた。
「うにゃあ!?冗談じゃないわよ!!」
アマデウスはそのことに気づき、すぐさま残った触腕を伸ばし、鞭の様にしならせ、銃を叩き落とした。
しかしその触腕が戻って行くコンマ数秒をまるで雷の如き疾さで掴み獲り、強引にそれを引き寄せた。
「アーーーー!?」
凄まじい力により、アマデウスは吹き飛ぶ様に悪魔の手元に引き寄せられた。
引き寄せたとき捻った腰の反動を使い、彼は腰の入った力強いアッパーをアマデウスのみぞおちに叩き込んだ。
まるで戦車から放たれた砲撃の様な速度で飛びたした拳はアマデウスのみぞおちを抉り、彼女をビルの天井に叩きつけた。
更に彼女は喰らった勢いを殺せず、そのまま天井を突き破り、次の階の天井にぶち当たり、辺りにヒビを走らせ、そのままそこにめり込んでしまった。
「うえぇぇ、今のはかなり効いた・・・うきゃあ!?」
彼女が次の言葉を言う前に、いつの間にか目の前にいた彼が何時取り出したか解らないが、その手にアルテミスを持ち、その柄で彼女のこめかみを殴った!
殴った衝撃で元の位置に戻ってきたアルテミスを器用に回しその刃で今度は脳天に一線、続いて胴に二線、肩に三線、斬激が止まらない、動き一つ一つも最早人間が成せる物ではない。
更に斬激は速さを増す、まるで暴風の様に彼女の肉を、骨を、血を、削ぎ落としてゆく!
「う・・ぐぇ・・あ・あか、あが?」
止まらない、止まることを知らない狂った狂気の猛攻により、アマデウスのその美しい身体は見るも無惨なグロテスクな肉塊に成り果てて行く。
だか彼女は高位悪魔だ、再生能力は高く、傷はすぐに治り、かろうじて人としての形を残していた。
怒涛の連激、その最期に彼は串刺しと言う手段を選んだ。
「ガアァァァァァァ!!!!」
狂った様に叫び、彼はその手に握られた狂剣で彼女をまるで豆腐でも刺す様に貫いた。
グシュリと肉を刺す音がし、更に彼は串刺しにしたアマデウスを地面に叩きつけ、空いている左手で彼女の顔を力を振り絞り、全体重を掛け殴り潰した。
「グァバ、グガアァァァァァ!!!!」
アマデウスの呼吸が止まったことを確認すると彼はひと吠えし、その場に倒れた。
「い、今のは一体・・・城助は、半魔だったの?」
ハイルは呟く、次に城助を見たときには人間の姿に彼は戻っていたのだった。
あの後、ハイルは何故城助が悪魔になったのか問い詰めた。
しかし、本人も解らないらしい。
ハイルがあの悪魔に犯されると思ったら、頭の中が真っ白になり、気が付いたらアイツを叩きのめして気絶していた。
「本当になんでだ?俺の両親は悪魔じゃないし・・・」
「・・・・もしかしてだけど、遺伝子大覚醒かも・・・?」
ハイルがその口を開く。
「遺伝子大覚醒?」
城助が問う。
「うん、遺伝子大覚醒って言うのはね、遠い遠い祖先の人が悪魔で、その悪魔の血が世代をこえてその人に伝わり、何らかの拍子で悪魔に覚醒する究めて珍しい現象よ。たぶん私のキ・・・キスで遺伝子が覚醒したのかも・・・」
キスで覚醒ってずいぶんロマンチックだな!と城助がツッコミをかました。
「でだ、黒服は何処行った?」
城助は問う、気が付いたら黒服はその姿を眩ましていた。
「ハァハァ、ここまで来ればヤツラも来ないだろう」
黒服の男のその姿は完全に人ではなかった。
まるで頭は黒山羊ようになり、二本の角が黒光りしていた。
身体は黒い毛に覆われ、足も手も蹄に化していた。
「糞!このままでは終わらんぞ!必ずしもあの暴君を復活させてやる!!そして、必ずやあの力を・・・」
黒服の男はそのまま笑いながらその場を去るのだった。
悪魔紹介!!
アマデウス
七つの大罪の1つ、色欲を司る者。
高位悪魔の中でもかなり上位に位置する。
恐ろしく強く並みの悪魔狩り者だと男だろうが女だろうが(いろんな意味で)喰われる。
苦手な者は口に出すのもおぞましい黒光りし、ツヤツヤするヤツ。(ゴ〇ブリ)
倒す方々?ねぇよ、うんなもん!!




