死にたい、けど。
町を歩いていると
小さな子供が私を指さし言う
「あっ、見て……へんなひと」
困った顔のおじさんは
「あの、道に迷って……やっぱりいいです」
逆さに持った地図を頼りに立ち去った
バスのドアは目の前で閉まる
自動ドアは反応しない
どうして こうも私は
受け入れてもらえないんだろう
途方もなく長い道のりを
誰の力も借りることなく
歩いて 海に向かった
そっと海に潜り
大きく息を吸えばいいだけ
「探したぞ」
足だけ海に入ったとき 後ろから声がした
「バーカ。死ぬ気か」
腕を引っ張られ 暖かさが広がった
理解してもらえない
受け入れてもらえない
でも
それなら それなりに
「泣くなって」
生きていきたい
後から来た人を、恋人と考えるかカッコイイ兄貴と考えるかは自由です。