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第九十三話 無念


「え…」





この男、ヒナノの担当ホストだったはずだ。

わかなのことも、していたのか。




「ひどい…」




2人被害者がいるということは、きっと5人、10人、もっといることになるということ。


女の子を依存させて、働かせる。

わかながレアケースなだけできっとやり方はヒナノみたいにどっぷりつけこませている可能性が高い。




「そんな女の子、もう増やしたくない。

私、絶対にこいつをとめたい」





「そう…

ラナ。これをあなたに」




アザミはラナにデバイスを手渡した。





「ラナが、1番最初の適合者」




「なんですか、これ?

わぁ、画面きれい」




「ラナ。

絶対に無理しないで」




「はい」




まだよくわかっていないラナに、不安を抱くアザミ。

自分がかわってあげられたら、いいのに…そう感じた。



「あとから選ばれる人のことをサポートしてあげて」




「…?わかりました」




これからたくさんやることあるわよ、とアザミは言い、ラナを指導する。





どれだけつらい指導も潜入も、水沼を逮捕するためだとラナは自身に言い聞かせ毎日耐え忍んだ。




海外に行ってしまったヒナノ。

陽翔を海外におくる前に、止めることができてよかった。

逮捕することはできなかったけれど…





次会ったら、絶対に捕まえて余罪を吐かせてみせる。

ラナはそう誓った。





————





「そうだったんだ」




陽翔は手にしていた牛乳を机に置き、真剣に聞いてくれた。





「長々とごめんね」




「そういえば、水沼のおじさん最近見ないな」




「そうね…」




また悪いこと表に出てないだけでしてるかも…と、陽翔はつぶやいた。





「おはよう、2人とも」




「あ、こうき」




「おはよう」




こうきはソファに腰をかけ、なにを話していたの?とラナに尋ねた。





「あの………水沼って裏でなにか動いてるの?」




「水沼………

久々に聞いたよ…

水沼は、もう死んだよ…」




「えっ」





「僕は、水沼が大嫌いだったけど…

あの最期は………」




「え、待って、水沼が死んだ…?!

え…?」




ラナはパニックになり、こうきの肩を掴んだ。





陽翔も驚き、目を見開いてこうきを見つめた。




「な、なんで死んだの!?ねぇ!」





「そ、それは………

失敗続きだったから……」




陽翔は眉を顰めた。




「ゆうり、みたいにされたってこと…?」




「片栗は………まだ、マシだよ…」





「ゆうりより酷いって…」




だってゆうりは、たくさん刺されて…

そう陽翔は顔を歪ませた。




「……聞かない方がいいよ」





ラナは目眩がした。





「私は、あいつを捕まえることが…………え…………」




「ラナ…大丈夫?」




陽翔に顔を覗きこまれ、慌てて返事をした。




「うん………」





「ラナ…

僕がいうのも、なんだけど…

水沼は、百合や梅にとって駒だったんだよ…」




「………」




「…そうだよ。

百合と梅を捕まえれば、なにもかも終わる」




こうきと陽翔に宥められ、1番最初にヒーローになったにも関わらず、なにをしているのだろうと情けなくなった。



「そう、だね…」




ラナは深く、深呼吸した。




「やることは、変わらないよね…」





「うん」




今は陽翔たちもいるし、と言い聞かせた。






————




日向は弓矢を構え、静かに引いた。





「まだまだだな」





「充分でしょう」





もう何発うっているのやら。

ミヤコはそう言って的を見た。





「やっぱり動いているものを撃たないと、ダメだね」




「そう…?」




弓矢が刺さり過ぎて、もう刺す場所などない。




「次はライフルでも極めようかな」




「勝手にしなさい」





「たかだか高校生を消すのに、どれだけ極めるの」




「甘いよ、ミヤコちゃん。

あっちにはもうこうきくんがいるんだよ」




きちんと準備しなきゃ返り討ちだよ、と日向は言った。




「ババ抜きだと、ジョーカーいらないのにね」




日向が笑って、空に弓を向けた。

弓矢は鳩に当たり、ボトっと地面に墜落した。




「それに妖怪もいるし」




「妖怪…?」




「そう。

走るの速い妖怪」





「だから妖怪やこうきくんを確実に仕留められるようにならないと」




生きるか死ぬかの戦いなんだよ、と、日向は鳩に刺さった弓矢を引き抜いた。




「妖怪もこうきくんもラナを傷つけたわけじゃないけど…あの2人は強いからね」




「なるほど…」




妖怪て誰だ、全然ピンとこない、そうミヤコは思った。





「とにかく、今日はここまでにしましょう。

お腹空いたわ」




「作ってあげるよ。

料理好きなんだ」




「…まさかその鳩が食材、だなんて言わないでしょうね」




「えぇ、なんでわかったの」




「はぁ」




「冗談だよ」





ラナが好きだったカルボナーラ作ってあげる。

そう言い日向は笑った。




「あら素敵」




「ラナが好きっていうから極めたんだ」




そう言い、2人は弓場をあとにした。

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