第七十三話 不適格
「絶対にあんな奴ら、壊してやる」
陽翔は眠れない日々を過ごしていた。
考えていることはいつもこればかりだ。
「…ゆうり」
一緒にキャッチボールしたとき
泣きそうなゆうりをおんぶして帰ったとき
流行りのゲームをしたとき
受験勉強に付き合ってくれたとき…
たくさん思い出が蘇るが、最後に思い出すのはいつも
「陽翔…」
「うぁぁぁ!!」
毎日これの繰り返しだ…。
呼吸が乱れ、震える肩を抑える。
「ゆうり…。
絶対にゆうりを殺した奴らを、壊してやる…」
『しょうがねぇな、陽翔は』
『ごめん』
『あー別に謝罪なんか求めてねぇし。
ほらさっさとやれよ。
この問題解けるまで寝れると思うなよ』
『勘弁して』
——ゆうりはいつもなにかに付き合ってくれていた。
俺がゆうりにしてあげられたこと、なにかあったのか。
せめて、せめてあの時手を掴めていたら。
陽翔は拳から血が滲むまで握りしめ、ため息をついた。
———
朝6時。
こうきは自身の剣を研き、一振りした。
「ゆうりも、このように追い詰められていたというのか」
人豚にされるよりも恐ろしい拷問と死を、こうきは知らない。
未知なるものが待ち受けているかもしれないという恐怖に、剣を握る手に力が入った。
そんな恐怖を振り払うかのように、こうきはもう一度剣を振った。
空気を裂く音が、静かな朝に鋭く響いた。
———-
学校が終わり、陽翔はまっすぐ帰宅し荷物を置き、すぐに出かけた。
父が昔使っていた竹刀を手にして。
強くなりたい、少しでも。
じゃないと、ゆうりの仇はうてない。
慣れないながら、素振りをする。
「もうあと100回…っ」
誰もいない公園でひたすら素振りをする。
すると、ジャリっという足音が聞こえ、陽翔は振り返る。
「お前…っ!」
「久方ぶりだな」
不気味な仮面の男に陽翔は怒りで竹刀が音がするまで握りしめた。
「お前が…!
お前があの時止めてなければ…!」
「…あの時点でゆうりは助からなかった」
「うるさい!
間に合ったかもしれないのに!
許さない…!!」
「フッ。
私は貴殿を殺しにきた。
最後に目にできるものが私の剣捌きなのを光栄に思うがいい」
「ふざけるな!
絶対に、負けない」
陽翔がそう言い、デバイスを取り出し、変身しようとする。
しかし、反応がなく、画面を見ると…
「不適格」
そう表示されていた。
「え…」
陽翔のビジュアルを公開しました。
詳しくは活動報告をご覧くださいませ。




