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第三十一話 配信


バスが発車し、あおいは内部を見渡す。



白を基調としており、高級感とかわいさ、上品さも兼ね揃えている。

女優ライトがついた鏡までついており、いかにもSNS映えを狙っているのが丸わかりだった。




わずかに香水をふっているのだろうか、いかにも女の子が好きな香りも漂っていた。



完璧だ。



ありがとう、ここまでのステージを用意してくれて。



あおいはそう心の中でつぶやいた。




バスはまだ止まりそうにない。


あおいは完備されていた、ありがたい女優ミラーの前でウィッグを外し、髪を素早く整える。





そしてあおいは、スマホの画面を固定し、画面をタップした。




「やっほ〜、みんな今なにしてるの?」



「?」




日向はいきなり1人で話し始めたあおいの声に、?マークを浮かべた。



なんでいきなり話し始めた?

だれと話してる。

みんなとは一体だれだ?




不審に思い、道の端に寄り車を停めて後ろを確認する。




「あれっ、君…」




「そう!アイドルのあおいちゃんだよ!」




あおいはそう言い、日向にウインクをした。




「ゲリラ配信中だよ〜!

ほら、車内はこんなかんじ!


案外こじんまりとしてて、噂よりは小さいかなってかんじかも〜。



それにこれ、今日で終わっちゃうみたい…

最後に乗れて、あおいラッキーだった〜」




「配信?」



「さて!今停車中なんですけど!

ただ回ってるだけだから、特にどこ行くとかもないみたい〜」




日向はなんとか自分が角を立たない形で配信をやめさせなければ、と思った。


影響力がある、あおいに状況を話されては、この計画は頓挫してしまう…

そう考えていたときだった。



「わっ、なんだ」



バスが揺れた。



地震じゃないな。



これは…




「人が…」




「あれ〜みんなもう場所特定しちゃったの?」




バスの外からはキャーキャーと黄色い声が聞こえ、囲まれきっていた。



「一旦配信やめるね〜。

対あり!」




あおいはそう言い、配信を中断した。




「ふふっ、このバスはあおいちゃんがジャックした!」




「な…」



「もう遅いよ。

オレのいる場所もぜーんぶリポストされて、トレンド入りもしてる」



「へぇ…」



妖怪の次は化け物か。

最近は物騒な世の中だな、と日向はつぶやいた。




「主人公はあおいちゃんって言ったろ?

お前の負け!

さぁ、観念して…」




「君はすごいね。

ファンの心理を使ってバスを停めたんだ。



なら、僕も利用させてもらおうかな」




日向はバスの窓を開け、大きな声で言い放った。



「今からアイドルあおいのゲリラ握手会をします。

窓が空いている方にお並びください」




「な!」




日向は運転席の窓を開け、足をかける。



「圧死されないようにね。

じゃあ、また」



日向はリモコンを駆使し、バスの入り口を開ける。




「待て!


うわ、ちょ、待って〜!

みんな落ち着いて…!」




日向は群衆の中に巧みに溶け込み、消えてしまった。




警察が介入し、3時間ほどかけてこの騒動に収拾がついた。




「大丈夫、あおい」




陽翔はあおいにそっと牛乳を差し出すと、あおいはそれを受け取ったが、しばらく口をつけることはなかった。



「肋絶対折れた…おえっ」



「あと少しだったのに」



「でも、バスを乗り捨てて行ったし、もう同じことは起きないでしょ」




陽翔の言葉にあおいは、そうだけど!悔しー!と机に突っ伏した。




「次は絶対捕まえよう。

一緒に」



「…そうだな」



「俺かわいい女の子に変装するから」



「やらんでいい!」



陽翔の言葉にあおいは思わず突っ込む。

でもなんとなく、あおいは陽翔がヒーローに選ばれた理由がわかった気がした。




「1人にしないから。次は」



「17のくせにかっこいいこと言うな!

でも、お前となら一緒にヒーローやってける気がするわ」




「ありがとう」



あおいは陽翔がくれた牛乳にストローを刺し、口をつけた。

陽翔はその姿を見て少し嬉しそうに微笑んだ。

出番がない間大型免許取得を頑張っていた日向

配信見て発狂してる蜜樹

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