第三十話 合理主義
「もっと静かに動きなさいよ!
計画が丸潰れじゃないの!」
ラナは未だ女装姿の涼太を正座させ、怒鳴った。
白バイからなんとか解放し現在に至るのだが、恐らくあちらに警戒心を抱かせてしまったのは明らかだった。
「すみません…」
「まったく…」
「まぁまぁ…
もう一度、計画立てようぜ。
だけどさ…」
「あいつらって若い女の子集めてなにがしたいんだ」
あおいは疑問に思った事を口にする。
その質問にラナは重い口を開いた。
「…若い女の子を………
食べてるの。
かわいい子を。
価値観に合わない子は、売ってるのよ」
「た、食べるって……っ、カニバリズムってこと?」
あおいが絶句し、陽翔は、はなが誘拐された際のことを思い出し、吐き気に襲われた。
「このバスは都市伝説として、今は語られてる。
それをどうにかしなくちゃ」
「つまり、都市伝説だからこそ、出会ったら価値があるって思われてるってことか…」
あおいは考え込むように俯いた。
「お、俺たちに出来ることある!?」
「なんでもする」
「「ない」」
陽翔と涼太はしゅん…と落ち込む。
「よし、オレに考えがある!」
あおいは、ニヤリと不敵に笑った。
さて、今日はどんな女の子がいるかな。
日向はバスを運転しながら、百合が好みそうな女性を探す。
百合は、神経質だ。
若くて、美しい女性でなければ、すぐに売買してしまう。
何度お眼鏡に適わず叱責されたことか。
しかし、この作戦は結構うまくいっているのではないかと、日向は思った。
若い女の子は、話題があるものにすぐ食いつく。
その分、今だけしか消費期限がない。
その点で言えば、小さいながらもバスで人数を集められるのは合理的なのではないかと、日向は考えたのだ。
「!」
1人の少女が立っているのが見える。
百合が好きそう。
あの子、拾っておくか。
「まぁ、僕は興味ないけどね」
そう言い、日向はバスの扉を開いた。
「えぇー、これ今話題のバスじゃないですか、すごーい!」
あおいは、そう言い、乗り込んだ。
「乗ってみたかったんですよねー」
「そうなんだ、よかったね」
あおいは、静かに計画を実行し始めた。




