第二十二話 出会い
「もー、なんなんだよ」
あおいは美容外科の前で、苛立ちを隠せずにいた。
現場でバラシになるのが1番だるい。
しかし、撮影する前にこの話がなくなったのはよかったのかもしれない。
マネージャーに何度か電話を入れたが、応答はない。
恐らく、ドラマの現場で通知を切っているのだ。
「というか、これなんて読むの?
よう…?
てかめっちゃいい高校通ってんじゃん!」
美容外科行って容姿じゃなく、学歴コンプが刺激されることなんてあるんだ。
「てかこれどうしたらいいわけ?
警察に届ける…?
…………………新作のフラペチーノ飲んでからていいや」
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「あ……あ…………」
「なにが大丈夫なんですか?」
白衣の男は、蜜樹の髪の毛をいじりながら顔を近づける。
あわやキスしそうなくらい。
「その………えっと…………」
「質問を変えましょう。
デバイスをなぜあおいさんに渡したのですか?」
「い、いや………ごめんなさい……………っ、」
白衣の男は怯えている蜜樹の耳元で囁いた。
「おしおきですよ」
「ひっ」
白衣の男は、蜜樹が施してあるネイルを見てにこりと笑みを浮かべた。
これから行われるであろう行為に、蜜樹は声が出なかった。
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あおいは新作のフラペチーノを飲みながら、ベンチに座った。
「それにしても」
あのお姉さんかわいかったなー、マスクしてすっぴんっぽそうだったけど、かわいいオーラやばかった。
でも、どうしてあんなに切羽詰まってたんだろう。
このスマホもなんなんだろ。
てかめっちゃ画質いいし、軽いし、ワンチャン欲しいまである。
「はー、行くか」
あおいは警察に届けるべく、重い腰をあげた。
警察署前にて。
「てか交番なかったからって警察署でよかったのかね」
入るの緊張するなーと思っていると、肩をいきなりガシッと掴まれる。
なんだ!?やばいファンか!?
と、思っていたら、赤い髪の制服の男子高校生だった。
「それどこで!?」
「……?えっと、」
「それはゆうりが持ってたはずじゃ」
「ゆうり………?」
「こいつ、こいつが持ってた」
男子高校生は焦りながら、ゆうりとやらの写真を見せてくれた。
なんだ、男か。
女の子だと思って、期待したのに。
というかこのゆうりって子…
「さっき会いましたけど…」
「!どこで」
「えっと…まず君はだれ?」
「ごめん。
竜胆陽翔」
「!…君が、竜胆陽翔……
はるとっていうんだ」
「あい。
…なんで知ってるの」
「…………………本当に本人?」
「本当に本人」
今度は顔写真付きの学生証も見せてくれた。
学校も同じで、先程お姉さんに手渡されたメモと同じ人物だということが知れた。
「…ゆうりって子は、さっき、美容外科であったよ」
「美容外科」
「そう。
じゃあ、これ君に渡すね。
あとはよろしくね」
そう言い、去ろうとしたがまたもや陽翔に腕を掴まれる。
「俺を美容外科に連れて行ってください」




