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110話 ピアス




「ラナ、うさぎさんとお別れできた?」




「うん」




上級生は後日、鼓膜が破けた状態で見つかったらしい。




「なんだかこわいね……」




「大丈夫だよ。

僕が守るから」




「ありがとう、ひーくん」





ラナは日向の言葉に感激して抱きついた。




ラナの口癖はいつも「いいなぁ」だった。

ラナは完璧主義者で、裕福な家庭さえあればあとは完璧だと思っているようだった。




「いいなぁ、なんで私は孤児院出身なのぉ…」




「ラナ…」




日向はラナの手を掴んでぎゅっと握った。




「僕頑張って働くから。

頑張って勉強して、いい大学行って、いい会社入って……ラナを幸せにする!」




「ほんと?ひーくん」




「だ、だから…」




「結婚しようね、ひーくん」




「うん、うん…!

絶対幸せにする」





「よし」




日向は中学生になり、毎日新聞配達のバイトに行くようになった。

放課後は部活動。

ラナと話す時間はあまりなかった。





「ひーくん…」




「ん?」




「なんでもない…」




「…あのさラナ」




「なに?」




「ピアス開けようと思ってるんだ。

開けてくれないかな?」




ラナはきょとん、とし、私も開けたい!と言った。




「開けっこしたい!」




「いいよ」




2人でせーので、パチンとピアスを開けた。





「いた!」




「ごめん、大丈夫?」




「大丈夫………ねぇ、ピアス交換しない?」




「え?」




「ファーストピアス。

いつも一緒にいる…みたいな」





「…いいよ!」





「やったぁ!」




ラナのピンクのピアスと、日向のシルバーのピアスを交換し、日向はラナがつけたピンクのピアスを静かにつけた。





「いつも一緒だね、ひーくん!」





「うん。

ラナ。

僕頑張るからね」




そう言うと、ラナの顔が陰った。




「うん。

約束!」





「ひーくん…ほんとに将来結婚してくれる?」




「もちろんだよラナ」




「うん…」





ラナは最近よくこの質問を夜寝る際してくるようになった。




「私以外の女の子好きにならない?」




「なるわけないだろ?」




「ラナのためならなんだってできるよ」




人殺しだって厭わない。




「ひーくん…」





毎日そう言って、体を重ねた。

日毎、ラナの不安は高まるばかりだ。




ラナの不安定さはさらに加速して食事も摂らなくなり、家庭コンプレックスもさらに深まっていった。





「日向くん!」




「はい?」




「ラナさんが、倒れたって…」




「…………はい?」

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