表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自殺しようとする同級生を助けたら乙女ゲームの世界の王子になりました  作者: 夜月海歌


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/102

借りは返すもの


 廊下の角を曲がると、壁にもたれるようにエリックが立っていた。


「……聞いていたのか?」

「途中からな。」


 隠す気は無いらしい。どこから聞かれてたのかな。


「……迷惑かけてごめん。」


 エリックが協力してくれなかったら……こんな結末にはならなかっただろう。僕は間違いなく彼に救われた。


「もう過ぎたことだよ。あ、でも借りは返して貰うからな。」

「……ああ。」


 この優しさに、僕は何度助けられたんだろう。


「それで? 本当はどう思ってるんだ?」

「え……? だから、僕に国王は向いてないから……。」

「俺にまで嘘つくなよ。1番は、それじゃないだろう?」

「……なんで、」

「隠し通せると思うほうが馬鹿だろ。……そんなに俺のことが信用できないか?」

「エリックのことは信用してるよ。でも、自分のことが、信用できない、っていうか……。」


 父にも、弟にも言えなかった本音。でも、エリックになら、親友になら言える気がした。


「自分の大事なものを手放したくない。王国だって大事だよ。でも、もしどっちかしか選べない状況になったら? 僕はその時、国のために決断できるなんて断言できない。僕はどっちも捨てたくない。欲張りなんだよ。」

「欲張りなのは昔からだろ。」


 そうかな。……いや、そうだね。うん、認めます……。


「今のお前の悪いところはな、欲張りなところじゃない。自分の決断に保険かけてるとこだろ。」


 保険ね……。……自分が嫌になるな。

 

「王になるもならないも勝手にすればいい。でも、自分で選んだんなら胸張れよ。」


 簡単に言うなよ、と思う。でも、その言葉は不思議と重くはなかった。


「……そんな簡単な話じゃないよ。」

「知ってる。」


 彼らしい即答だった。……僕は悩みすぎてるんだろうな。


「簡単なら、お前がこんな顔してねぇだろ。」


 思わず顔を触る。そんなに分かりやすいのか。


「別に王にならなくてもいい。けどな、逃げたみたいな顔するな。目障り。」

「……さすがに酷くない?」

「それくらい酷い顔してたぞ。大好きな人の前で、そんな顔見せるなよ。」

「はいはい。」


 にやにやした顔、むかつく。


 ……でも、彼に僕は何回助けられたんだろう。

 一生かけて借りは返さないとね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ