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自殺しようとする同級生を助けたら乙女ゲームの世界の王子になりました  作者: 夜月海歌


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癒えない痛み


 ……彼女に、伝えなきゃいけない。彼女に希死念慮があることはわかってるけど、僕にはそれで彼女が救われるなんて思えない。死んだら何も取り戻せない。……前世で死んだことを後悔しているわけじゃない。莉亜を助けようとしたことが間違ってるとは思えないから。……でも、もう少し生きたかったなって。急に死ぬなんて思ってなかったもん。お父さんとかお母さん元気かな。友達も。何もお別れ言えなかった、。事故?心中?どっちで処理されてるんだろ、どっちでもいいけど。やってみたいこともやり残したこともたくさんある。人が死ぬのって突然だよね。未来が奪われて、二度と取り戻せなくなって。後悔してない、って言ったら嘘になるのかな。……でも、転生できて良かったんだよね。莉亜と会えて彼女のことを助けれたんだから。良かった、そう思うしかない。そう思わないと、感情が溢れ出てしまいそう。


「……レオン様?」

「…………?」

「大丈夫、ですか?」

「え……あれ、?」


 泣いてる、?彼女に言われるまで気がつかなかった。


「……レオン様?」

「あ……ごめん。」

「…………、?……あの、その……。」

「……死んだらだめだよ。」

「え……?」

「死んでもいいことないよ。いい事なんてひとつもない。」

「…………。……大丈夫です、レオン様は幸せに生きれますよ。」

「……君は?幸せに――」

「私には幸せになる資格なんてありませんから。」

「……違うよ。みんなある。おかしいよ、そんなの。」

「人を陥れようとした人間が幸せになる資格なんてありません。少なくとも、私はそう思うのです。レオン様、私のした罪はなくなりません。私が死んでも変わらないかもしれませんが、リアナ様も少しは楽になると思うのです。レオン様もそう思うでしょう?」

「……思わない、思うわけがないよ。誰かが死んだら楽になるなんて莉亜はそんなこと思わない。」

「りあ……。……それはリアナ様のあだ名ですか?」


 あ……。言っちゃった。……でも、良いかな。言っても。彼女の処罰はもう僕の中で決めてるし、何より今の彼女に隠し事をする気にはなれなかった。


「……死んだことがある、って言ったら君は信じる?」

「…………、?」

「……前世があるんだよ。この世界とは違うところの。そこで莉亜と出会った。それで死んで、僕がレオンになって莉亜はリアナになったんだよ。」

「……リアナ様と前世で会っていた、ということですか、?」

「うん、信じなくていいよ。……でも、だからこそ死んでほしくない。」

「……私は、それでも――」

「死んだ後の苦しみがわかるの?知らないでしょ。何も知らないのに死にたいなんてやめてよ――。」

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