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莉亜の幸せ

「……ん?」


 ――景色が違う。地下牢じゃない。天井が白くて装飾があるし、今僕は冷たい石の腰掛けじゃなくてふかふかのベッドの上にいる。

 あ……。僕の部屋だ、ここ。なんで……?魔術具だってはめらていない。夢?タイムスリップ?馬鹿みたいな想像だけど、あの後寝ている時に連れてこられた、とかいうよりは現実っぽく感じてしまう。前世ではそんなこと思わなかったと思うんだけどね、転生を経験しちゃうと変わるみたい。


 ……莉亜は?莉亜は今、どこにいるの?安全なところにいる?怖い思いしてない?莉亜は、莉亜は……?


「……レオン殿下、起きられましたか。

 ――国王陛下がお呼びです。」


 扉を開けて、そう言ったのは宰相のベルフォードだった。いつもと何も変わらない声。まだ、過去に戻れたのではと期待してしまう自分がいる。……でも、父と会ったらきっと真実がわかる。今どうなっているのか。知りたくないけど知るしかないよね。


「ありがとう、ベルフォード。今から行くね。」

「かりこまりました――。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 大広間にいた父は、どこか疲れている顔に見えた。何かあったのかな?数日前に会ったばかりなのに、まるで別人みたい。


「……父上。」


 ……思ってたよりも声が震えてた。何でだろ、僕怯えてるのかな。……僕は莉亜がいないと見せかけの強さすら無いんだよね。……どんどん嫌になってきちゃう。


「レオン。この前、セレスティアに記憶魔法を行った。」


 ――!セレスティアに……?


「……調べてくれたのですか……?」

「……ああ。……もう少し早くするべきだったな、すまなかった。」

「え……。」


 しばらく呆然とすることしか出来なかった。……セレスティアの事を調べてくれたってこと?僕の願いを聞いてくれたの?望んでいた結果のはずなのに、上手く飲み込めない。良かったはずなのに、どこか腑におちない。なんで何も言わずにやったの?教える必要はないんだろうけど、教えて欲しかったな。なんか蚊帳の外にいる気分。


「……ありがとうございます。リアナは今どこにいるんですか?」

「王城の客室で休んでいる。後で行くといい。」


 ……良かった。やっと、やっと莉亜が安心して暮らせれるようになったよ。もう冤罪を被る必要は無いし、自由を奪われる心配だってない。本当に良かった、莉亜が救われて。こんな僕でも、莉亜に恩返しできたかな?


 考えてると、頬から涙が滴り落ちてきた。そこで僕はようやく気づいた、ずっと僕は張り詰めていたんだろうなって。おかしかったよね、変な方向にどんどん進んでた気がする。……でも、それしかできなかった。気持ちを自分に向けてないと違う誰かに向けて誰かを傷つけてしまいそうで。……でも、怖かったよ。自分で選んだことのはずなのに、すごい苦しくて辛くて。一人で抱えるのってこんなに辛いんだなあって。すごいよね、莉亜は。僕は1週間ぐらいでさえ耐えられなかったよ。でも、何とか自我を保っていられたのは莉亜のおかげだよ。ありがと、莉亜。


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