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理解できない感情

「騎士さん、お願いがあるんだけど……。……父上に、セレスティアを記憶魔法で調べてほしいって伝えて。」

「……!セレスティア様をですか、?」

「うん、お願い。」

「……かしこまりました。」


 驚くのも無理はない。普通は罪人に使うものなのだから。……でも、もうそれしかない。ここにいたら証拠なんて調べられない。やってくれる可能性が低くても、それに縋るしかないのだ。僕は罪人を逃がして逃亡した。……だから、父が少しは信じてみようという気持ちになってくれないかな?息子が命を懸けてまで訴えかけたのに、何も行動しないことなんてないよね、?


 考えているうちに騎士はどこかに行ったみたいで、僕は独りになった。牢の中には何も無くて、まるで僕の心みたいだ。手首には、魔術具がはめてある。……壊して逃げようかな?魔法が使えるようになれば鉄格子なんて簡単に壊せる。それで莉亜のところまで行ければ――。無理だね、危険すぎる。また捕まって警戒されるよりは穏便に行動した方が良さそう。父が願いを聞いてくれればいいんだけどね。


「……レオン様!」

「……セレスティア?」


 僕に会いに来たのはセレスティアだった。――もう、彼女を騙す必要はないよね。


「レオン様、会いたかったです。」


 何でそんなこと言うんだろう、会えなかった理由は君が莉亜を陥れたからじゃないか。整った顔で微笑む彼女を見て、僕は寒気がした。


「あの時、自分で毒を盛ったんでしょ?」

「…………?」

「卒業パーティーのとき。忘れたなんて言わないでよ。自分で飲んでリアナに罪を押しつけた。そうだよね?」

「……違います。……レオン様は、まだあの方を庇うおつもりなのですか?」

「庇うって何。事実を訴えてるだけだよ。」

「…………。」


 何言ってんの、この人。庇うって、莉亜が悪いことしたみたいじゃん。自分で莉亜を陥れたのに、それでも莉亜が悪いと思ってるわけ?彼女は何にもしてないのに。おかしい、おかしいよ、セレスティアは。莉亜が苦しんでるのに、どうしてそんな笑顔でいられるの?君のせいで笑えない人がいるのに、どうして笑えるの?意味わかんない。


「……レオン様は諦めないのですね。」


 諦めるって……君が可笑しいことするからそうなったんだよ?他人事みたいな言い方やめてよ。


「……帰って。」

「…………?」

「帰ってよ。僕はもう君と話すことは無いよ。君の話も聞きたくないし。」

「……っ。」


 話したくない。話してたら、セレスティアの異常さに呑まれてしまいそうで。僕は考えなきゃいけない。莉亜を助ける方法を少しでも多く。だから、僕は冷静でなくちゃいけない。セレスティアと話してたら、心がぼろぼろ崩れ落ちそうになる。……でも、まだ壊しちゃだめだ。莉亜を助けるまでは。

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