どうしたら私を見てくれるの?《セレスティア》
リアナ様が処刑される日、私は自宅の私室にいました。リアナ様が処刑されれば、レオン様はやっと私を見てくれる――。私はレオン様に、リアナ様の処刑は悲しいと言ったけど、全くそうは思わない。むしろ、リアナ様が処刑されたら清々しいくらいだわ。彼女は、私からレオン様を奪った悪人よ。観衆の下品な視線に見られながら醜く死ねばいいのよ。――そう思っていた時、ドアをノックする音が聞こえた。
「……セレスティア様、失礼します。」
「ミレイユ?入ってちょうだい。」
部屋に入ってきたミレイユの顔はいつもより暗かった。
「どうしたの、ミレイユ?」
「……その、レオン殿下がリアナ様を連れて逃亡しました。」
……!レオン様が、リアナ様を……?なんで……?どうして……?いや、嫌よそんなの。……誰か嘘って言って、言ってよ……。リアナ様が処刑されることになってもレオン様はリアナ様を助けるの?それなら……。どうしたら私を見てくれるの?何をしたらレオン様は私に振り向いてくれるの?レオン様。私はあなたの事がこんなにも大好きなのに。私はこんなにあなたに尽くしているのに。
「……あ、あの、セレスティア様。」
「……?」
「……実は、もう1つ報告がございます。騎士団が、レオン様とリアナ様の捜索を始めるそうです。」
「……!見つかったらどうなるの?」
「……レオン様は捕縛、リアナは見つけ次第殺しても構わぬ、という王命が出ています。」
……リアナ様が殺されたらレオン様は私を見てくれますか?さすがに……そうなってくれますよね?死んだ人をずっと好きになる訳にはいきません。だから、私を愛してくれますよね?私はレオン様がどれだけ悲しみに暮れていてもあなたのそばにいます。レオン様が王位を剥奪されたって、平民になったって、私はあなたを愛し続けます。私、それくらいあなたが大好きなんですよ……?本当に。あなたの為なら毒を飲んでもいいと思えるんですから。あなたの為なら、私はなんだってできます。だから、そのご褒美に私に振り向いてください。貴族学園に入学した時みたいに、私にあの優しい笑顔で微笑んでください。最近は、私のことを見てくれていないでしょう?あなたの笑顔は私の心を満たすけど、でも、あの時より感情がこもっていない気がするのです。それに、その優しい笑顔を私じゃなくてリアナ様に向けていると思うとどうしようもない怒りに駆られるのですよ。でも、もう心配要りませんよね。王国の騎士団は優秀です。きっとリアナ様を殺してくれるでしょう。そうしたら、レオン様はまた私にあの笑顔を見せてくれるのですね?




