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僕は諦めないよ

あとちょっと。王城の敷地内は魔法で移動したら気づかれてしまうから徒歩で移動するしかない。僕達は静かに歩いていた。王城を出れれば飛行魔法で逃げれる。平民のふりをして隣国に行ければ――。


「……レオン。何をしておる?」


 ……!


「……陛下。」

「囚人を連れ出して――何をしようとした?」


 正直に答えるべきか、戦うべきか――。こんなに早く気づかれるとは思ってなかった。衛兵の交代の時間かな?父の後ろには騎士団がいる。さすがに本職の人相手に戦えない。最善の言い方は何だろう。言い訳をする?処刑を遅らせてもらう?…… どれも愚かな方法に思えた。


「私がレオン様に頼みました。」


 そんな僕の思考を止めたのはリアナだった。


「リアナ!?ちが――」


 反論しようとしたら、リアナに止められた。そして、小さい声で言った。


「私には、失うものがありませんから。」

「……!?」


「……国王陛下。私が助けてほしいと泣いてレオン殿下に縋ったのです。レオン殿下は悪くありません。……私が、私の責任です。」


 リアナの声は、強くて迷いが1ミリもなくて王の前にふさわしいものだった。でも、違う。僕はリアナにそんなことをしてほしくて逃げたんじゃない。


「リアナ!?何を言っている!?陛下――」

「レオン様、私は自分よりもレオン様が大事です。」

「……。」


「国王陛下。レオン様は悪くありません。どうか罰は私だけにしてくださいませんか?」

「――レオン、リアナの話は本当か?」


 どうしてそんなことを聞くんだろう。父は、きっと分かってる――僕がやったということを。それでも聞いてくるのはなぜ?――ここで真実を話したら、リアナの勇気が無駄になってしまう。そんなのは嫌だ。


「陛下、リアナの処刑を遅らせていただけませんか?それまでに証拠は必ず見つけます。」

 

 僕の回答は父の質問に答えたものじゃなかったけど、父はそれを言及することはなかった。


「……わかった。今回の件は見逃そう。だが、処刑は明日行う。それは変えられぬ。――レオン、次は無いぞ。」


 リアナを救えなかった――後悔と自責の念がとめどなく頭の中に流れてくる。どうすれば上手くいった?衛兵の交代時間を把握していれば。闇魔法で隠れながら移動していれば。ばれてもいいから飛行魔法で急いで逃げていれば。こうしたら成功したかもしれない、という選択肢がどんどん浮かんでくる。自分の計画のなさに嫌悪したくなる。そして何よりも――僕のしたことがリアナの罪になってしまった。リアナの罰の重さは変わらないだろうけど、そういう話じゃない。自分のした事が、愛する人の罪になった。これほど辛いことはあるだろうか。どうしたらいい?僕は何をしたらリアナを助けれる?何度自分に問いかけても、答えが返ってくることはなかった。

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