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君と一緒に

「レオン様。」


 地下牢に行くと、頬が少し濡れて、目元が赤く腫れたリアナがいた。


「リアナ、その……。」

「……明日のことは、もう聞きました。レオン様、最期にあなたに伝えたいことがあるんです。」

「最期じゃないよ。」


 その言葉に、どこか諦めながら微笑んでいて、胸がいたんだ。


「レオン様。私、あなたと出会えて本当に良かったです。……レオン様は、私を何回も救ってくれました。私が拒んでも、ずっと私の味方でいてくれた。こんな私でもいいんだって、思わせてくれたんです。もうレオン様に会えなくなると思うと寂しいです。でも、最期にあなたに言えて良かった。」


 彼女は泣きながら微笑んだ。その笑顔を見ると、嬉しいような切ないような気持ちになる。


「リアナ、最期なんて言わないでよ。僕はもっと君といたい。」

「……明日が、怖いです。昔は死ぬことなんて怖くなかったのに。……私に生きることの楽しさを教えてくれたのはレオン様です。私は、レオン様がいるから孤独じゃなかった。あなたが、私の心の支えになってくれた。だから、死ぬのが辛い。死にたくない。もっとレオン様のそばにいたかった。」

「リアナ……。」

「私、レオン様のことを好きになれて良かったです。好きになったのがあなたで良かった。」


 そう涙を流しながら言い微笑む彼女は、今までで1番美しかった。直視してると息が詰まりそうなくらい美しい。この世の誰よりも。


「レオン様。こちらに来てください。」


 彼女に手招きされて、鉄格子ごしなのに肌が触れそうなくらい近くに行くと、彼女が僕の耳元で囁いた。


「……優真くん、大好きだよ。」


 ……!?……ずるい、ずるいよ。そんなの、反則だよ。心がもたない。溶けちゃいそう。ねぇ、どうしてそんなこと言うの?動けなくなっちゃうよ。これから一緒に逃げないといけないのに。


「ふふ。この前のお返しですよ?」


 そう言われて思い出した――僕も耳元で大好きと囁いたことを。思い出すと恥ずかしくなるね。やめとこ。


「僕も大好きだよ、莉亜。」


 彼女は不意打ちをくらって驚いたような顔をした。驚いた顔も可愛いよ、莉亜。


 ――よし、やろう。深呼吸してから、僕は衛兵さんに眠りの魔法をかけた。眠りの魔法は小さい子にもよく使う日常的なもの。3時間くらい寝ることになる。ごめんなさい、痛くは無いはずだから――。


「……レオン様、?」

「一緒に逃げよう。」

「……!?だめです、そうしたらあなたまで罪に問われてしまう。」

「君を助けるって決めたから。……それに、もう後戻りなんてできないよ。」

「でも……。……本気、なのですか?」

「もちろん。君に嘘はつかないよ。」


 僕は鉄格子を溶かしてリアナの手に嵌めてある魔術具を壊した。この世界は魔法があるんだから、壊すのなんて簡単。警備が緩すぎるよね――。


「――行こう、一緒に。」

「レオン様……。……はい。」


 彼女は戸惑いながらも僕の手を取った。君を守る為ならなんだってするよ。たとえ王国に背くことでもね。

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