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抑えきれない怒り


 セレスティアと雑談をしていたとき。突然、閣議が終わったベルフォード宰相がやってきた。


「レオン殿下、失礼します。――リアナ様が、明日処刑されます。」

「明日――!?」

「……!」


 セレスティアと僕は驚いたが、2人の反応は全く別のものだった。セレスティアはリアナが処刑されることへの驚き。僕は機嫌が明日になったことへの焦り――。


「……やっと、安心出来ますね。」

「……セレスティア?」

「リアナ様のことはもちろん悲しいです。でも、リアナ様がいると不安なんです。レオン様がいる時は安心できますが、ひとりの時はすごく不安で……。」

「リアナの処刑が嬉しい、って言いたいのか?」

「そういうわけじゃ……。」

「リアナが死んだら君の望みは叶うのか?復讐が成功して満足?もうすぐで上手くいきそうで良かったね。ほんと、不安なんて言葉よく言えるよ。」

「レオン様……?なんのことですか……?」

「とぼけてたらばれないと思ってる?誰にもばれてないなんて思ってる?現実はそう甘くないよ。」

「……レオン様?……私は何も隠してません。」


 言い過ぎた、と気づいた時にはもう遅かった。また感情が先走りして抑えられなくなっていた。僕の悪い癖だ。昔の嫌な記憶が蘇る――。

 今はそんなこと思い出してる暇無いね。何とかしないと――。


「ごめん、セレスティア。リアナが処刑されるって聞いて動揺しちゃったみたい。」


 本当は君がおかしなこと言ったからだけど――。言わないよ、そんなこと。君にだけは絶対言わない。ほら、僕の言葉に騙されたでしょ?


「……そうなのですね。レオン様、私がそばにいますよ?」

「ありがとう、セレスティア。」


 気持ち悪い。反吐が出る。そんな感情を抑えて言った。リアナの代わりがセレスティアなんて、死んだ方がましだよ。セレスティアのそばに一生いるくらいなら誰かの奴隷になった方がよっぽどいい。


「レオン様、私のそばにずっといてください。」

「ああ、もちろん。」


 そう言うと、セレスティアは嬉しそうに微笑む。リアナが地下牢で一人で孤独を味わっていることを忘れて――。

 

 リアナの処刑は明日。もう証拠を見つけるのは無理だろう。それなら、ああするしかないのかもしれない。他に方法が思いつかない。リアナは、僕の方法を許してくれるだろうか?彼女は優しいから許さないかもだけど、それでも僕はそうするよ。もう君を守る方法はそれしかないんだ。僕が頼りないせいだよ。ごめん、リアナ。

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