仕組まれた罠
「……リアナ。教えてくれないか?」
「……わかりました。まず、先日二人で話した時のことです。」
「……?セレスティアに謝った時のことか?」
「ええ。あの時、セレスティアに攻撃されました。」
彼女は悲しそうに言った。でも、セレスティアとは違うまっすぐな目が真実だと語っていた。
「……セレスティアが?」
「はい。傷は魔法で治しましたが……。」
「噂とは真逆じゃないか。」
「ええ、でも言ったところで誰も信じれくらないのです。」
「もうそんなことを言うのはやめてくれ。」
「……そうですね、すみません。事件の前夜、話があると言われセレスティアに呼ばれたのです。そして――突然髪飾りを奪われました。」
「……!?怪我はしてないか?」
「ええ、彼女の狙いはそれだけです。私には相応しくないと――そう言っていました。」
セレスティアが――。予想はしていたが、実際にリアナの口から聞くと衝撃的だった。
「話してくれてありがとう。……セレスティアは君の謝罪を受け入れられなかったからそうしたのか?」
「それは、……違うと思います。彼女は――」
「彼女は……?」
「……ごめんなさい。私にも分かりません。」
「……?何か言いかけてなかったか?」
「……気のせいですわ。レオン様は鈍感ですね。」
「そんなことないと思うが……。」
「ふふ。レオン様、私レオン様が信じてくれているだけで耐えられました。」
「……?」
「セレスティアにひどいことされたって、みんなに噂を信じられて変な目で見られても。あなたが信じてくれているから頑張ってこれた。」
リアナの顔は涙が溢れていた。彼女はこんなになるまで一人で抱え込んでしまっていた。何もしてあげられなかった自分がとても憎い。彼女にこんな苦しい思いをさせてしまった。その事実に胸が痛くなる。
「……リアナ。」
僕は彼女を抱きしめた。彼女がもうこんな悲しい顔をしないように。一人で抱え込まないで、ちゃんと相談してくれるように。
「……レオン様、そういうところだと思います。」
「……?」
夜空に輝く満月がとても綺麗に見えた。リアナのことを守る。セレスティアが彼女を傷つけるなら、それを止める。周りに何を言われようとも。婚約者だろうと、彼女を、莉亜を傷つけるのは絶対に許さない――。




