4話塩対応
あの転校生立候補事件から3日、私はあまり変わらない日常を過ごしていた。
「暇だなー」
思わず呟いてしまう。
それくらい暇だ。
まあ、五月雨さんは忙しいみたいだけど
朝来たときからなにかブツブツ呟いている。ちょっと怖い。
そういった生徒会選挙まであと3日、かなり時間がないらしい。
「五月雨さん」
私は席が隣なのでちょっと仲良くしたくて喋りかけてみた。
そうすると、五月雨さんは興味がないように。
「なんですか山田さん、私は今忙しいのですが」
見事なまでの塩対応だ。
私はちょっと悲しくなりつつ、そのまま話しかける。
「いや、いま生徒会選挙の準備どこまで進んだのかなーって...」
「それを、あなたに言ってどうなるというのですか」
怖い、こんなに私に対してのあたり強かったっけ?
それとも私なんかしたっけ?
恐る恐る私が尋ねる
「えーと、なにか困ったことあったら手伝いたいなーと」
「お気遣いありがとうございます。でも、今困っていることはありませんので」
そう言って五月雨さんは席を立ってどこかへ行ってしまった。
ほんとになにかしただろうか、私は今までの行いを振り返ってみるが
「話したことそんなに無い...」
嫌なことに気がついてしまった、最初の転校してきた挨拶以外ほとんど喋りかけたことがないのだ。
もしかして興味無いくせに暇だから喋りかけてきたとか思われてるのだろうか?
実際暇だったけど...
そんな事を考えていると田中が声をかけてきた。
「何考えてんの?」
「五月雨さんについて」
「ふーん、何で?」
そりゃそう聞かれる、人に全く関心を示さなかった私が誰かについて考えているのだ気になるだろう
「一回も話しかけられたこと無いからなにかしてしまったかなと。」
「珍しいね来季がそんなこと考えるなんて」
「まあな、あまりにも塩対応だからちょっと心配になって」
「気にしなくて良いんじゃない?いっつも来季塩対応されても無視してるしてか私からしたら来季が人のこと考えてることに驚いてるんだけど」
「そうかな、あまり気にしないでおくわ」
「うん、てか授業始まるよ」
「また放課後」
そういって紗加にバイバイという。
いつもの会話だ。
そのまま何かもやもやしたまま授業が終わる。
HRの時選挙の話をしていた、五月雨さん2組の小林さん3組の佐藤さんで選挙するらしい。
なんか絶対五月雨さんが勝ちそうだな
「では、皆良い選挙を期待している」
「起立!礼!ありがとうございました!さようなら!」
いつもの感じで終わる。
私は特に考えずに横を向いて五月雨さんに話しかける
「どんな感じ?」
「何がですか?」
「いや、選挙のこと」
「貴方に関係が?」
「いや、無いけど...」
「じゃあ、話しかけないでください」
「すみません」
そう言って五月雨さんは帰ってしまった。
やはり、何かやってしまったのだろうか
「来季ー!」
紗加だ、いつもの通りハイテンションでかえろー!って言っている、なんか態度違いすぎてやっぱり落ち込む。
「どしたん?そんなに落ち込んで」
「塩対応がつらい」
「まだそれ気にしてるの?あんまきにしなくていいって!」
そう言われ手を引かれるまま連行される
だけど、私の気持ちは晴れなかった